2023年12月ニュースレター
税務政策
稼働前の固定資産に係る為替差損益の取り扱い
2023年12月20日、ハイズン省税務局は、会計および法人所得税に関するオフィシャルレター17075 号(Official Letter No. 17075/CTHDU-TTHT )を発行した。詳細は以下のとおりである。
– 企業が同じ省内に多数の異なる投資プロジェクトを持っており、会計帳簿を1つの会計期間に1つしか準備していない場合であっても、新規プロジェクトに関しては、個別に追跡できるように準備しておかなければならない。また、通達200号(Circular No. 200/2014/TT-BTC)における企業会計制度に基づき、会社の生産、事業特性、管理要件に応じた詳細な会計制度の適用を検討すべきである。
– 企業のプロジェクトが固定資産建設のための投資段階にあり、当該期間における外貨建て支払い、又は外貨建て負債の再評価時に係る為替換算差額が発生する場合、固定資産が完成し使用開始された時点で、この為替換算差額(差額の増減を相殺した後)を段階的に財務収益、又は財務費用に配分する事になる。当該配分期間は、プロジェクトが稼動した時点から5年を超えてはならない。企業が課税収益に対応しない費用を負担した場合、これらの費用は、法人所得税を計算する際に、損金算入することはできない。
従業員のスポーツ活動に対する金銭的支援の税務上の取り扱い
2023年12月7日、ハイフォン税務局は、税務政策についてオフィシャルレター6443号(Official Letter No. 6443/CTHPH-TTHT )を発行した。詳細は以下のとおりである。
– 法人所得税(CIT)について : 企業が従業員のスポーツ活動に対して金銭的支援を行う場合、2015年6月22日付の通達96号(Circular No. 96/2015/TT-BTC )第4条、2018年3月16日付の財務省通達第25号(Circular No. 25/2018/TT-BTC)第3条2項の要件を満たし、かつ、これらの費用の年間合計額が企業の課税年度における平均月給与額を超えない場合、当該費用は法人所得税を計算する際に損金算入することができる。
– 個人所得税(PIT)について : 企業が従業員のスポーツ活動に対して金銭的支援を行う場合、当該支援に関する請求書が特定の従業員名義でなければ、個人所得税を計算する際、当該支援額を課税所得に含める必要はない。
保険によって補償されない破損品、低品質、又は期限切れの廃棄品に関する付加価値税及び法人所得税の取り扱い
2023年12月20日、税務総局は税務政策に関するオフィシャルレター5829号(Official Letter No. 5829/TCT-CS)を発行した。詳細は以下のとおりである。
原則として、保険会社から補償を受けられない破損品、低品質、又は期限切れの廃棄品に係る付加価値税は控除可能であり、また、法人所得税の計算にあたり損金算入が認められる。ただし、企業はこれらについて、完全に記録すると共に、インボイス、その他必要書類を保管する必要がある。