2021年10月ニュースレター
税務管理
ハノイにおける電子インボイスの使用に関する通知
2021年10月29日、ハノイ税務局は、ハノイにおける電子インボイスの取り扱いに関する通知を発行した(2021年9月20日に財務省が発行したDecision No.1830/QD-BTCに対応したものである)。
ハノイ税務局は、適切な技術インフラが整備された後、新しいモデルの電子インボイスへの切り替えの具体的な日付に関する通知を各企業に発行する。
ハノイ税務局は、旧モデルの電子インボイス(Decree No. 51/2010/ND-CPで規定)から新しいモデルの電子インボイス(Circular No. 78/2021/TT-BTCで規定)への切り替えプロセスについて、以下のガイドラインを示している。
– 企業は、税務総局が2021年10月7日付で発行した決定1450号(Decision No. 1450/QD-TCT)に基づき、新しいモデルの電子インボイスソフトウェアにアップグレードする必要がある。
– 全ての企業は、税務総局によって示された電子インボイスのモデルを使用しなければならず、その他のモデルや、紙のインボイスの使用は認められない。
– 企業が発行した電子インボイスに関する全てのデータは、企業での保存に加え、アーカイブのために税務総局に提出されなければならない。
– 新たな電子インボイスは、税務当局によって発行されたシリアルのあるもの、又は、シリアルのないものが含まれる。
– 税務局から電子インボイスに関する通知を受け取った企業は、政令123号(Decree No. 123/2020/ND-CP)の付録IAにあるフォーム1(Form 01/DKTD-HDDT)を使用し、電子インボイスの情報を登録しなければならない。また1営業日以内に、受理、又は拒否の通知を受け取ることとなる。企業は、税務当局からの受理通知を受け取った後、新しいモデルの電子インボイスの使用を開始することができる。
– 新しい電子インボイスが受理された後、企業は直ちに古いモデルの電子インボイスの発行を中止し、残っている紙のインボイスを破棄しなければならない。
インボイス
付加価値税(VAT)減税の対象となる商品及びサービスのインボイス発行
2021年10月29日、税務総局は、VAT減税の対象となる商品及びサービスのインボイス発行に関するオフィシャルレター4153号(Official Letter No. 4153/TCT-CS)を発行した。当該オフィシャルレターによると、30%のVAT減税(該当する場合)は、各売上VATインボイス上で直接控除される。
具体的には、VATインボイスの「VAT 税率」欄には、5%×70%、又は10%×70%と税率を記載し、「VAT 金額」欄、及び「合計金額」欄には、実際の金額(30%減額後)を記載する。
売上インボイスの場合、「合計」欄には減額前の価格を記載し、「商品及びサービスの合計価格」欄には実際の金額(30%減額後)を記載する。さらに、売り手は30%減額されたVAT金額を明示しなければならない。
当該オフィシャルレター には、各ケース(VAT インボイスと売上インボイス)が例示されている。
法人所得税(CIT)
Covid-19の予防・管理に関するCIT及びPITの取扱い
2021年10月27日、税務総局はCovid-19の予防・管理に関するオフィシャルレター4110号(Official Letter No. 4110/TCT-DNNCN)を発行した。詳細は以下のとおりである。
Covid-19検疫に関する(管轄国家機関の要請による)、ベトナム国内または海外(海外出張の場合)での費用(食事代、宿泊費、Covid-19検査費用、ベトナム入国地または居住地から医療隔離施設までの交通費、医療隔離中の基本的な生活費など)、及びCovid-19検査/Covid-19検査キットの購入に関する費用、職場での感染を防ぐための従業員用安全器具、「3つの現場」で働く従業員の宿泊費および食費は、法人所得税の計算にあたり損金算入することができる。また、従業員の個人所得税の計算にあたり、課税所得には含めない。
財務省(税務総局)は、上記の費用は、適切なインボイス及び証憑書類によって、実際の発生額が反映されなければならないとしている。
個人所得税(PIT)
労働災害・職業病保険基金への拠出金の削減により得られた金額を従業員に直接支払う場合、当該支給により従業員に生じた所得に対する個人所得税の取り扱い
2021年10月25日、税務総局は、労働災害・職業病保険基金への拠出金の削減により得られた金額を従業員に支払う場合、当該支給により従業員に生じた所得に対する個人所得税の取り扱いに関するオフィシャルレター第4102号(Official Letter No. 4102/TCT-DNNCN)を発行した。詳細は以下のとおりである。
Covid-19による困難に直面している従業員および雇用主への支援に関する2021年7月7日付の首相決定第23号 (Decision No. 23/ 2021/QD-TTg)の規定に基づき、Covid-19の予防・管理措置として、雇用者が労働災害・職業病保険基金への拠出金の削減により得られた全額を従業員に直接支払う場合、当該手当は従業員の課税所得に含まれないものとする。
個人税番号を2つ持つ個人の取り扱い
2021年10月14日、ハイフォン税務局は、個人税番号を2つ持つ個人の個人所得税の確定申告書の提出先の決定に関するオフィシャルレター2655号(Official Letter No. 2655/CTHPH-TTHT)を発行した。詳細は以下のとおりである。
個人が2つの税番号を持つ場合(誤って個人IDカードと市民カードの両方を使って個人納税番号を登録した場合)、後から発行された個人税番号を取り消し、1つ目の個人税番号のみを使って個人所得を申告しなければならない。本人は、2つめの個人税番号を発行した税務局に出向き、個人税番号の取り消しと納税登録情報の更新を行うことができる。
転職して、現在の給与支払者に対して扶養控除の登録をしていない場合で、同時に現在の給与支払者と労働契約を締結していないか、3ヶ月未満の労働契約、又は支払い時に10%の個人所得税が源泉徴収される契約を締結している場合、居住地の税務局に、個人所得税の確定申告書を提出することができる。
労働、社会保険
Covid-19の影響で困難に直面している従業員、及び雇用者を支援するためのいくつかの方針を修正する
2021年10月8日、政府は、Covid-19により困難に直面している従業員、及び雇用者を支援するためのいくつかの方針について、2021年7月1日付の決議68号(Resolution No. 68/NQ-CP)を修正・補足する決議126号(Resolution No. 126/NQ-CP )を発表した。詳細は以下のとおりである。
– 労働契約を結んでいる従業員であり、労働契約の停止、又は無給休暇となった時点で強制社会保険に加入している従業員
– 2021年5月1日から2021年12月31日までの間に、労働契約が一時的に停止されている、又は労働契約期間内に無給休暇を連続15日以上与えられた従業員(労働契約停止の開始日、又は無給休暇の開始日は、2021年5月1日から2021年12月31日までの間であればどこでも構わない)
– 以下のいずれかのケースに該当する従業員
+ Covid-19の予防・抑制のために、管轄の国家機関の要請により、入院、Covid-19による隔離、出勤できない状態になったことがある従業員
+ Covid-19の予防・抑制のために、管轄の国家機関の要請により、雇用主が一時的に操業を停止したため、働くことができなかった従業員
+ 本社、支店、駐在員事務所、生産拠点、事業拠点が、指令16に基づくCovid-19の予防・抑制策を実施している地域にある雇用主、またはCovid-19の予防・抑制のために生産を調整しなければならなかった雇用主
一時的なサポート金額:
– 連続した15日間から1ヶ月未満: VND 1,855,000/人
– 1ヶ月以上: VND 3,710,000/人
企業法
中小企業の定義
中小企業の基準は、政令80号(Decree No. 80/2021/ND-CP)に基づき、2021年10月15日から以下のとおり変更された。
– 商社・サービス業
企業 |
基準1 | 基準2 | |
強制加入社会保険に加入している従業員の平均人数 | 年間収益 | 又は総資本 | |
極小企業 | 10名以下 | VND 100億以下 | VND 30億以下 |
小企業 | 50名以下 | VND 1,000億以下 | VND 500億以下 |
中企業 | 100名以下 | VND 3,000億以下 | VND 1,000億以下 |
– その他企業(農業、工業、建設など)
企業 |
基準1 | 基準2 | |
強制加入社会保険に加入している従業員の平均人数 | 年間収益 | 又は総資本 | |
極小企業 | 10名以下 | VND 30億以下 | VND 30億以下 |
小企業 | 100名以下 | VND 500億以下 | VND 200億以下 |
中企業 | 200名以下 | VND 2,000億以下 | VND 1,000億以下 |
強制加入社会保険に加入している従業員の平均人数、年間売上高、及び総資本は以下のように決定される。
項目 | 稼働期間が1年以上の企業 | 稼働期間が1年未満の企業 |
強制加入社会保険に加入している従業員の平均人数 | 前年の強制加入社会保険加入者数 | 年間の強制加入社会保険加入者数 |
年間収益 | 前年に提出された損益計算書による | (1年以上操業しているが収益が出ていない企業を含む)総資本に基づく |
総資本 | 前年に提出された貸借対照表による | 最新の四半期貸借対照表による |