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2020年6月ニュースレター

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税務管理

改正税務管理法

2019年6月13日付で国会によって改正税務管理法38/2019/QH14が発行された。主な改正点は以下のとおりである。

a) 税務登録

納税者は事業活動を開始する前、または国庫への支払が発生する前に税務局で税務登録を行い、納税番号の発給を受けなければならない。

b) 税務登録証明書の発行期間

税務機関は、納税者が申請書類を全て提出した日付から、3営業日以内に税務登録証明書を発行する。

c) 年次税務申告期限の変更

+ 確定申告:会計年度終了後、3ヶ月後の月末まで

+ 定期申告:暦年または会計年度終了後、1ヶ月後の月末まで

+ 個人としての個人所得税の確定申告:暦年終了後、 4 ヶ月後の月末まで

d) 税務申告期限の変更:各四半期終了後、1ヶ月後の月末まで

e)  電子書類及び電子インボイスに関する規定については、2022年7月1日から適用となる。企業及び個人は、2020年7月1日までに当該規定を適用することが奨励される。

本改正税務管理法は2020年7月1日から有効となる。

 

法人所得税 (CIT)

支払利息損金算入限度額

2020年6月24日、政府は、2017年2月24日付で発行された移転価格に関する政令20号(Decree 20/2017/ND-CP)第8 条3項を修正・補足する政令68号(Decree 68/2020/ND-CP) を発行した。主な改正項目は下記のとおりである。

内容 政令68号 政令20号
支払利息の計算 受取利息及び貸付利息と支払利息を相殺することができる。 受取利息及び貸付利息と支払利息を相殺することができない。
支払利息損金算入限度額 30% 20%
払利息損金算入限度額の超過の扱い支

 

 

2019年度より、支払利息損金算入限度額30%を超えた部分は、翌年度以降に繰越ができる。

繰越可能期間は5年間である。

但し、2017年度及び2018年度の支払利息に関しては、当該規定の適用はできない。

支払利息損金算入限度額を超えた部分は、翌年度以降に繰越すことができない。

さらに、注目すべき点は下記のとおりである。

a) 政令68号に従って2017年から2019年までの会計年度の支払利息の額を修正し、過年度の過払法人所得税が発生した場合、過払法人所得税は2020年度から最大5年間繰り越すことができ、将来の未払法人税と相殺することができる。但し、当該期間を超過した際には残額は相殺できないものとする。

b) 納税者は、2017年及び2018年の法人所得税の確定申告書を2021年1月1日までに修正申告しなければならない。

 

新型コロナウィルス感染症の影響により、労働許可書を有さない外国人駐在員に対する給与の規定

2020年6月2日付でバクニン省の税務局は、オフィシャルレター2099号(Official Letter No. 2099/CT-TTHT)を発行した。当該オフィシャルレターによると、2020年3月10日付の決議28号(Resolution No. 28/NQ-CP、新型コロナウィルス感染症の影響により外国人に対する労働許可書発給の一時停止)の施行により労働許可書が取得できていない外国人駐在員に対する給与は、通達96号 (Circular No. 96/2015/TT-BTC) 第4条の要件を満たせば損金算入することができる。

 

Grabサービスを利用するためのコード購入費用に係るインボイス

2020年6月23日付でハノイ税務総局によって発行されたオフィシャルレター55967号(Official Letter No. 55967/CT-TTHT)によると、企業がGrabの配送・デリバリーサービスを利用するためのコードを購入し、当該費用を法人所得税上の損金算入費用として扱うには、グGrabにインボイスの発行を要求し、入手しなければならない。

 

ソフトウェア開発の法人所得税優遇税制に関する改正

情報通信省は、ソフトウェア開発の法人所得税優遇税制に関して、2014 年 11 月 18 日付で発行された通達16号(Circular16/2014/TT-BTTTT) を改正する通達13号(Circular 13/2020/TT-BTTTT) を2020 年 7 月 3 日付で発行した。

- 当該通達によると、法人所得税の優遇税制を適用するためには、企業の業務がソフトウェア開発の7つの工程のうち、「要件定義」及び「分析・設計」の2つの工程の少なくとも1つを含まなければならない。

–  企業はソフトウェア開発の優遇税制に関する証明書類の正確性について責任を負い、 かつ、自社で当該業務が各工程に適合する業務かどうか、確認する必要がある。

- ソフトウェア開発の優遇税制適用に関する証明書類の詳細については、当該通達に記載されている。

- 当該通達が適用される前に、ソフトウェア開発の優遇税制適用に関する要件を満たしていることが確定しているソフトウェア開発活動は、投資プロジェクトの実施期間が終了するまで、当該優遇税制に適合していると見なされる。

本通達は2020年8月19日から有効となる。

 

個人所得税 (PIT)

自然災害防止管理基金への寄付金に関する個人所得税の取り扱い

2020年5月18日付で税務総局によって発行されたオフィシャルレター2014号(Official Letter No. 2014/TCT-DNNCN)によると、従業員が2014年10月17日付の政令94号(Decree No. 94/2014/ND-CP)に沿って設立された自然災害防止管理基金に寄付する場合、当該寄付金は個人所得税の課税所得から控除することができる。

 

個人所得税の基礎控除額の引き上げ

個人所得税の基礎控除額のVND 11,000,000への引き上げに関して、2020年6月23日付で税務総局は政府決議954号(Resolution No. 954/2020/UBTVQH14)を適用するため、オフィシャルレター2546号(Official Letter No. 2546/TCT-DNNCN)を発行した。当該オフィシャルレターによれば、2020年7月から新たな基礎控除額を適用し、個人所得税を計算することとなる。2020年1月から6月までの個人所得税は、2020年度の確定申告を行う際に新たな基礎控除額を適用し、再計算することとなる。

また、税務総局は、2020年7月以降の個人所得税申告(2020年8月20日提出期限)又は第3四半期の個人所得税申告(2020年10月30日提出期限)より、新たな基礎控除額が適用されることを公表した。

 

新型コロナウィルス感染症の影響による、外国人駐在員のホテル費用に対する個人所得税の取り扱い

バクニン省税務局は、新型コロナウィルス感染症の影響による外国人駐在員のホテル費用に対する個人所得税について、2020年6月12日付でオフィシャルレター1518号(Official Letter No. 1518/CT-TTHT)を発行した。ある企業が、2020年3月27日付の指令15号(Instruction No. 15/CT-TTg)及び2020年3月31日付の指令16 号(Instruction No. 16/CT-TTg) に記載された社会的隔離処置の実施にあたり、ハノイ駐在中の外国人駐在員に対し、バクニン省のホテルに2020年3月31日から2020年4月17日まで一時滞在するよう指示し、当該一時滞在に係るホテル費用を当該企業が負担した。当該オフィシャルレターによれば、当該ホテル費用は当該外国人駐在員の個人所得には該当せず、個人所得税の課税対象とはならない。