2020年5月ニュースレター
税金の支払期限延長に関する政令41号(Decree No. 41/2020/ND-CP)の適用について
政令41号(Decree No. 41/2020/ND-CP)の適用に関するオフィシャルレター5977号(Official Letter No. 5977/BTC-TCT)が2020年5月20日付で財務省によって発行された。当該オフィシャルレターによると、支払期限を延長する法人所得税(CIT)の額は、2019年度の確定申告書に記載された法人所得税額の20%を超えてはならない。納税者が支払延長期限までに、確定申告の補足書類を提出し、かつ、法人所得税の納税額を増加させる場合、又は税務当局が支払延長期限までに税務調査を行い、当該税務調査結果を通知する場合には、支払期限が延長される法人所得税の上限は上記規定に従うこととなる。そして、通年の法人所得税の支払総額は確定申告の補足書類、または当該税務調査結果に基づいて確定される。
当該オフィシャルレターには、付加価値税(VAT)の支払期限延長に関する規定も含まれている。
法人所得税(CIT)
2020年度の予定納税額の30%の削減
2020年6月19日、国会は、2020年度の売上高が2,000億ドン以下の企業に対し、法人所得税を30%減額する決議を承認した。
当該決議は署名日から45日後に有効となり、詳細なガイドラインは、当該決議の有効日以降に発行される。
個人所得税(PIT)
基礎控除額及び扶養控除額の引き上げ
個人所得税の基礎控除額及び扶養控除額の引き上げに関して、国会常任委員会は 2020 年 6 月 2 日付で政府決議954号(Resolution No. 954/2020/UBTVQH14)を発行した。控除額はは以下のように引き上げられる。
– 納税者の基礎控除額: VND 9,000,000/月から VND 11,000,000/月に引き上げる(VND 10,800万/年から VND 13,200万/年に引き上げる)
– 扶養控除額: VND 3,600,000/月から VND 4,400,000/月に引き上げる
当該決議は2020年7月1日から有効となり、2020年度より適用される。
関連者間取引価格
2020年6月2日付で、財務省は意見収集のため、関連当事者取引価格に関する政令ドラフトを発行した。当該ドラフトには、以下の内容が含まれている。
– 比較分析を行う際に、商用データベースの使用に同意すること
– ODAローンや政府からの優遇融資などを除き、支払利息の損金算入限度をEBITDAの20%から30%に引き上げること
– 独立企業間取引価格のレンジ調整について、政令20と比較して10%増加させること
新型コロナウイルス感染症による困難軽減策
2020年5月29日付で、政府は政府決議84号(Resolution No. 84/NQ-CP)を発行した。本決議には、新型コロナウイルス感染症によって困難に直面している企業をサポートするためのいくつかの施策が含まれている。
– 国内消費を奨励するため、2020年末まで国内で組立・生産された自動車の登録料を50%減額すること
-企業で働く外国人(専門家、管理者、技術者)がベトナム国内に入国していない場合であっても、労働許可証を更新し、新たな労働許可証を発行すること
– 新型コロナウイルス感染症拡大防止のための寄付金はCIT上の損金対象とすること
労働、給与、保険、組合費
労働災害事故または職業病の強制社会保険
2020年5月27日付で、政府は政令58号(Decree No. 58/2020/ND-CP)を発行した。本政令によると、労働災害事故または職業病の危険性が高い業種を経営する企業に対し、労働災害事故または職業病の強制社会保険として賃金基金の0.3%の料率を適用するよう提案した(通常は0.5%)。当該料率を適用するには、企業は政令58号に記載されている要件を満たしている必要がある。たとえば、行政違反罰則を受けていないこと、労働災害事故に関するレポートを3年間連続して、適切かつ定期的に提出していること等である。
当該料率の適用期間は、上記に関する決定がなされた日から36ヶ月間である。当該料率の適用期間の延長を希望する場合、当該料率を継続して適用するための書類を期限の60日前までに準備する必要がある。
当該政令は2020年7月15日から有効となる。