2020年3月ニュースレター
税務全般
税金及び土地使用料の支払期限延長
税金及び土地使用料の支払期限延長に関する政令41号(Decree No. 41/2020/ND-CP)が2020年04月08日付で政府によって発行された。本政令により、付加価値税(VAT)、法人所得税(CIT)、個人所得税(PIT)及び土地使用料の支払期限の延長が可能な対象企業は下記の通りである。
- 以下の業種で事業を実施する企業、組織、家計、個人
+ 農業、林業、水産養殖業、食品製造業、縫製業、衣料品製造業、皮革および関連製品の製造業
+ 木材加工及び木材、各種竹を原料とした製品の製造業(ベッド、テーブル、椅子等、家具の製造を除く)
+ 藁及び編物を原料とした製品の製造業及び製紙業
+ ゴム及びプラスチック関係の製造業及びその他非金属鉱物を原料とした製品の製造業、金属の製造業
+ 金属の機械加工・ハンドリング・塗装、電子製品・コンピュータ・光学製品の製造、自動車・その他自動車の製造(現在は9人乗り以下の車も含む)
+ ベッド、テーブル、椅子等、家具の製造業
+ 建設業
- 運輸・倉庫業、宿泊及びホテル、外食産業、教育・訓練業、保健・社会福祉活動、不動産業、労働及び雇用サービス活動、旅行代理店、ツアーオペレーターの活動及び広告及びツアーの企画に関連するサポートサービス、作曲・芸術、図書館・博物館・その他文化活動、スポーツ活動・娯楽活動、映画等で事業を実施する企業、組織、家計、個人である。
- 主要な機械製品の生産開発事業で事業を実施する企業、組織、家計、個人
- 中小企業支援の法定に定義される中小零細企業
上記の対象企業に対する延長期間は下記のとおりである。
- 付加価値税(VAT):月次申告の場合、2020 年 3 月分、4月分、5月分、6月分の納付期限が延長される。四半期申告の場合、2020 年第1四半期分、第2四半分の納付期限が延長される。延長期間は所定の期限より5ヶ月である。
- 法人所得税(CIT):2019 年 12 月期確定申告納税分の納付期限、2020 年第 1 四半期及び第2四半期分の予定納税分の納付期限が延長される。延長期間は所定の期限より5ヶ月である。
- 家計、個人の付加価値税(VAT)及び法人所得税(CIT)の納付に関しては、期限が2020年12月31日まで延長される。
- 土地使用料:土地使用に関する合意書あるいは契約書の経営目的が上記の業種に該当する場合、2020年の初期の土地使用料の支払期限が、2020年5月31日より5ヶ月間延期される。
納税者は遅くとも 2020 年 7 月 30 日までに、当該政令に付属するフォーム「納税期限延長申請書」 を管轄税務局に提出する必要がある。
当該政令は 署名された日から有効となる。
法令違反の疑いがない場合の2020年度中の税務調査、税関調査の免除
コロナウィルス感染症の防止強化に関して、2020年3月13日付で財務省によって指令02号(Instruction No. 02/CT-BTC)が発行された。本指令により、財務省の各部門は、コロナウィルス感染症の影響を受けている企業に対する税金および手数料の延長・減額・免除する政令、及び従業員の個人控除額を増やすための政令の作成が要求されている。
財務省は、コロナウィルス感染症の影響による困難を克服するため、法令違反の疑いがない企業に対しては2020年度中の定期税務調査を実施しないよう、税務局や税関局に要求した。
VATインボイス
ギフトに対するインボイスの発行
輸出加工型企業(EPE企業)のギフトに対するインボイスの発行に関して、2020年3月2日付で税務総局によってオフィシャルレター871号 (Official Letter No. 871/TCT-CS)が発行された。通達119号(Circular 119/2014/TT-BTC第5条1項によると、EPE企業は非関税エリアの企業に対してギフトとして財を使用する場合、インボイスを発行するものとする。
コロナウィルス感染症の影響を受けている企業の労働組合費の支払期限延長
ベトナム労働総同盟は、コロナウィルス感染症の影響を受けている企業に対する労働組合費の支払延期について、オフィシャルレター245号(Official Letter No. 245/TLĐ)を発行した。(対象となるのは社会保険の支払対象企業であり、かつ、一時休業した従業員が総数の50%以上を占めている企業である)。当該オフィシャルレターによると、2020年の最初の6ヶ月間の労働組合費の支払期限は2020年6月30日まで延長される。但し、コロナウィルス感染の状況によっては、2020年12月31日まで延長される。
会計及び監査
国際財務報告基準(IFRS)に準拠したベトナム財務報告基準(VFRS)の適用に関するロードマップ
VFRS適用に関する決定書345号(Decision No. 345/QD-BTC)が2020年3月16日付で財務省によって発行された。詳細は以下のとおりである。
- ステップ1 – 準備期間(2020年から2021年):財務省がIFRSの翻訳を準備するとともに人材育成を実施し、IFRS適用に関するガイドラインを発行する。
- ステップ2 – テスト期間(2022年から2025年): いくつかの企業はIFRS を適用した連結財務諸表の作成が要請される。また外資企業は、税務機関や国家予算等への責任に関する情報が明確に説明できる場合には、任意にIFRSの適用を選択することができる。
- ステップ3 – 強制適用 (2025年から): 国有企業の親会社、上場企業、大規模企業は連結財務諸表の作成に際し、IFRSを適用が強制される。他の企業も、税務機関や国家予算等への責任に関する情報が明確に説明できる場合には、任意にIFRSの適用を選択することができる。