2020年10月ニュースレター
税務管理
電子インボイスに関する規定
2020年10月19日、政府が電子インボイスに関する政令123号 (Decree No. 123/2020/ND-CP)を発行した。主要ポイントは以下のとおりである。
– 2018年9月12日付の政令119号 (Decree No. 119/2018/ND-CP /2018)第35条2項および4項に基づく電子インボイス強制適用の規定は取り消される。
-政令51号 (Decree No. 51/2010/NĐ-CP)は2020年6月30日まで有効となっている。したがって、企業は通達39号 (Circular No. 39/2014/TT-BTC)のガイダンスに基づく紙インボイス、あるいは通達32号 (Circular No. 32/2011/TT-BTC)のガイダンスに基づく電子インボイスを引き続き使用することとなる。
– 2020年10月19日から2022年10月19日に設立される企業については、税務局から当該政令に基づく電子インボイス使用に関する通知を受け取った場合、企業は当該通知に従う必要がある。通知を受け取らなかった場合には、企業は2010年5月14日付の政令51号または2014年1月17日付の政令4号 (Decree No. 04/2014/ND-CP) に基づき処理する必要がある。
税務及びインボイスに関する行政違反処分に関する新規定
2020年10月19日、政府は税務及びインボイスに関する行政違反処分を規定する政令125号(Decree No.125/2020/ND-CP)を発行した。政令129号 (Decree No. 129/2013/ND-CP)から変更となる点は下記のとおりである。
内容 | 政令125号 | 政令129号 |
インボイスに関する行政違反処分の最高額 | 1億ドン(組織)
5,000万ドン (個人) |
5,000万ドン(組織)
2,500万ドン(個人) |
通知期限後に税務登録・休業通知・経営継続通知を行う場合 | 最大1,000万ドン | 最大200万ドン |
税務登録情報の変更登録期限に関する違反 | 最大700万ドン | 最大200万ドン |
申告書における税金計算に関連する情報に誤りがある場合、又は情報が不足している場合 | 最大800万ドン | 最大300万ドン |
申告書類の提出期限に関する違反 | 最大2,500万ドン | 最大500万ドン |
税金計算に関連した情報提供に関する違反 | 最大500万ドン | 最大200万ドン |
税務調査結果の実施、又は課税に関する決定の執行に関する違反 | 最大1,000万ドン | 最大500万ドン |
脱税行動の共謀、又は隠匿 | 最大1,600万ドン | 最大1,000万ドン |
脱税 | 最初の違反に対して脱税額の3倍に相当する罰金 | 2回目の違反から適用される |
期限を過ぎたインボイス廃棄 | 最大800万ドン | 該当なし |
期限を過ぎた電子インボイスのデータの変更 | 最大2,000万ドン | 該当なし |
当該政令は2020年12月5日より適用される。
2019年の税務管理法に関する規定
2019年の税務管理法の規定を周知するため、政府は2020年10月19日付で政令126号(Decree No. 126/2020/ND-CP)を発行した。詳細は下記のとおりである。
– 休業期間内の税務管理:
納税者が申請期限の通りに営業を開始した場合は、税務局に通知する必要はない。申請期限前に営業を開始した場合には、税務局に通知する必要がある。また、課税に関する規定を適切に遵守し、税務申告書類及びインボイス使用状況レポートを規定通りに提出しなければならない。
– 税務登録:
個人の身分証明書またはパスポートの情報が更新された場合、新しい身分証明書、又はパスポートの発行日付から20日以内(地方、諸島の場合は30日以内)に税務登録内容の変更を通知しなければならない。
納税者が課税対象でない事業活動のみを行っている場合、税務申告書を提出する必要はない。
- 課税年度の第3四半期までの仮払法人所得税合計額は、確定申告書で計算される確定税額の75%未満となってはいけない。第3四半期までの仮払法人税合計額が、確定申告書で計算される税額の75%より低い場合、納税者は、第3四半期の支払期限の最終日の翌日から当該不足額の納税日までの期間に基づく延滞利息を支払う必要がある。
– VATの申告頻度を決定するための、3年周期の規定は取り消すものとする。従って、四半期ごとのVAT申告の基準を満たす納税者は、VAT申告を行う頻度に関し、毎月又は毎四半期の選択ができる。また、これは暦年に渡って継続して適用できる。
当該政令は2020年12月5日より有効となる。
関連当事者取引を行う企業に対する税務管理
2020年10月5日付で、政府は関連当事者取引を行う企業に係る政令132号 (Decree No. 132/2020/ND-CP)を発行した。当該政令は2017年10月19日付の政令20号 (Decree No. 20/2017/ND-CP)、及び2020年6月24日付の政令68 (Decree 68/2020/ND-CP)にとって代わる。当該政令の詳細は下記のとおりである。
– 関連当事者取引と見なされるケースを明確にする
課税期間中に拠出資本の25%以上の資本金を譲渡または受領する会社、課税期間中に拠出資本の10%以上を所有する役員、又は個人から貸付又は借入を行う場合、当該貸付・借入が実行された日より関連当事者取引を行っているものと見なされる。
- 国別報告書に関連する義務についての新規制(ベトナム、又は国外に所在する究極の親会社)
- 支払利息の損金算入限度をEBITDA(支払利息、税金、及び減価償却費前利益)の20%から30%に引き上げ
- 独立企業間取引価格のレンジは、政令20号で規定されている”25% ~75%”までから”35% ~ 75%”までに変更
- ある企業の関連当事者取引が、ベトナムにおいて法人所得税の納税義務を負う関連当事者との間のみで行われ、当該関連当事者の法人所得税率が当該企業と同率で、かつ、課税期間中に両社ともに法人所得税の優遇措置の適用対象とならない場合、移転価格文書作成義務は免除される(法令20号は、付録1のセクションIIIおよびIVに規定されている項目のみを免除している)。
当該政令は2020年12月20日より有効となり、2020年の課税期間から適用される。
新型コロナウイルス感染症対策等支援活動のための寄付金及び募金について
2020年10月10日付の政府決議149号 (Resolution No. 149/NQ-CP)によると、政府は、財務省からの要請に同意し、新型コロナウイルス感染症対策等支援活動のための寄附金及び募金は、損金算入費用として取り扱うことを決定した。