2018年6月ニュースレター
工業団地及び経済特区における優遇制度に関する新政令
2018年5月22日、工業団地及び経済特区に適用される投資優遇制度に関する政令82号(Decree No. 82/2018/NĐ-CP)が政府によって発行され、下記の内容が規定された。
- 工業団地は、困難な社会及び経済的条件を持つ地域として投資法に一覧が記載されている地域に適用される優遇制度の対象となる。
- 特別に困難な社会及び経済的条件を持つ地域として、投資法に一覧が記載されている地域の工業団地が、特別に困難な社会及び経済的条件を持つ地域の工業団地の優遇対象となる。
- 経済特区は、特別に困難な社会及び経済的条件を持つ地域として投資法に一覧が記載されている地域に適用される優遇制度の対象となる。
- 工業団地及び経済特区における投資プロジェクトの優遇を受けるための手続、原則及び優遇内容は、投資法の規定に従う。
- 工業団地及び経済特区に勤務するワーカーのためのコンドミニアム及び社会的インフラ施設を建設、運営及び賃貸するための費用は、工業団地及び経済特区内で実施されている投資プロジェクトの法人所得税上の損金に算入することができる。
工業団地及び経済特区に勤務するワーカーのための文化、スポーツ又は社会的なインフラ施設及び住居の建設に関する投資プロジェクトは、社会的施設の建設に関する法規定に従って、優遇を受けることができる。
工業団地及び輸出加工区に居住することは禁じられている。必要な場合、マネージャー、CEO、専門家として勤務する外国人のみが、一時的に工業団地及び輸出加工区に滞在することができる。ただし、下記の要件を満たさなければならない。
a) 企業の事業及び製造活動の目的のための一時的な滞在でなければならない。
b)当該外国人の家族及び親族は、工業団地及び輸出加工区に一緒に滞在してはならない。
c) 当該外国人は、ベトナムへの入国、出国及び滞在に関する法規定上の滞在登録及び申告手順を遵守しなければならない。
d) 当該外国人は、製造及び事務所エリアから離れたところに滞在し、滞在施設が住居に関する建設基準を満たさなければならない。また、企業は、当該外国人の一時滞在の登録を行う責任があり、社会的安全及び秩序を維持し、工業団地及び輸出加工区の運営にマイナスの影響を与えてはならない。
当該政令は2018年7月10日より有効となり、政令29号(Decree No. 29/2008/ND-CP)、政令164号(Decree No.164/2013/ND-CP)、及び政令114号(Decree No. 114/2015/ND-CP)に取って代わる。
輸出入及び卸売業に関するオフィシャルレター
2018年6月28日、輸出入及び卸売業に関するオフィシャルレター5120号(Official Letter No. 5120/BCT-KH)が商工省によって発行された。
- 2018年1月15日付の政令9号(Decree No. 09/2018/NĐ-CP)第5条1項及び第6条1項に従って、国外の投資家及び外国投資企業は、投資法及び企業法に準拠して、輸出入及び卸売業の登録を行った後に、当該事業を実施することができる。輸出入及び卸売業の実施に際してライセンスの取得又は特定の条件を満たす必要のある商品に関しては、外国投資企業はライセンスの取得又は規定される条件を満たした後に、当該事業を実施することができる。
- 政令9号は、HSコードを使用した、輸出入及び流通業を行う商品の一覧の強制申告に関する規定を含まない。投資家及び企業は、必要性、事業能力、財務状況、通関申告での利便性及び他の関連する手続に基づいて、HSコード、名称、分類によって、商品の決定及び申告を行わなければならない。
- 通関申告書上のHSコードの申告は、通関に関する規定に従わなければならない。通関申告書を作成することが困難な場合、企業は財務省又は通関局に指示を仰がなければならない。
ホストコンピューターのVATの取り扱いに関するオフィシャルレター
2018年6月4日、オフィシャルレター2171号(Official Letter No. 2171/TCT-CS)が税務総局によって発行された。本オフィシャルレターによると、企業がベトナムで設置したホストコンピューターを所有し、当該ホストコンピューターを国外の顧客に貸し出す場合、当該貸出サービスは輸出取引とみなされず、10%のVATが課税される。
EPEの国内取引のVATの取り扱いに関するオフィシャルレター
2018年6月13日、輸出加工企業(EPE)に関するオフィシャルレター2351号(Official Letter No. 2351/TCT-CS)が税務総局によって発行された。
2005年度に発行された商法VI章における加工活動の規定によると、EPEが国外又は国内の企業に加工サービスを提供することに対する制限はない。そのため、投資登録証明書を取得したEPEは国内企業に対して加工サービスを提供することができる。当該EPEは、国内企業に対する加工サービス収益に係るVATを申告納税しなければならない。さらに、当該EPEは、VATの計算方法及びVATインボイスの登録、その他の現行規定を遵守しなければならない。
VAT還付に関するオフィシャルレター
2018年6月20日、VAT還付に関するオフィシャルレター2453号(Official Letter No. 2453/TCT-CS)が税務総局によって発行された。本オフィシャルレターによると、2016年7月1日付の政令100号(Decree No. 100/2016/ND-CP)第1条6項3号及び2017年12月15日付の政令146号(Decree No. 146/2017/ND-CP)第1条2項に従って、輸入した商品を輸出する企業は、2016年7月1日から2018年1月31日までの間、VATを還付することができない。
国外企業への返金及び補償金の税務上の取り扱いに関するオフィシャルレター
2018年6月4日、オフィシャルレター37304号(Official Letter No. 37304/CT-TTHT)がハノイ税務局によって発行された。本オフィシャルレターによると、2014年6月26日付でベトナム企業が国外企業と会社株式売買契約を締結し、国外企業から全額の入金を受け、その後に当該契約を解除することになり、ベトナム企業が国外企業に返金し、追加で補償金を支払わなければならない場合、下記の税金が課せられる。
- 外国契約者税
– 外国企業への返金は、外国企業の所得とはみなされないため、外国契約者税は課せられない。
– 外国企業に支払われる補償金に対しては、下記の外国契約者税が課税される。
+ VAT: ゼロ
+法人所得税: 2%
- 法人所得税
外国企業に支払われる補償金は課税所得に対応する費用ではないため、財務省によって2015年6月22日付で発行された通達96号(Circular No. 96/2015/TT-BTC)第4条に従って、損金不算入費用とみなされる。
支払利息の法人所得税上の取り扱いに関するオフィシャルレター
2018年6月26日、オフィシャルレター43767号(Official Letter No. 43767/CT-TTHT)がハノイ税務局によって発行された。本オフィシャルレターによると、会社が関連当事者取引(親会社による銀行借入の保証)と非関連当事者取引(銀行からの直接借入)を有する場合、政令20号(Decree No. 20/2017/NĐ-CP)第8条3項に従って、法人所得税計算上の損金に算入する支払利息を会社で計算しなければならない。損金算入する支払利息の計算の対象は、借入が関連当事者取引かどうかに関わらず、支払利息全額となる。