2019年8月ニュースレター
輸入品及び輸出品の関税評価に関する通達
2019年8月30日、輸入品及び輸出品の関税評価に関する通達39号 (Circular No. 39/2015/TT-BTC) の条文を改正、補足するための通達60号 (Circular No. 60/2019/TT-BTC) が財務省によって発行された。本通達には、関税評価に関するリスクの高い企業リストを作成するための基準に関する新規則がいくつか追加された。 また、通達39号に規定された輸入品の関税評価の原則と評価方法、輸入品の取引価格の決定方法、関税評価のデータベースに関する条文が改正された。
本通達は、2019年10月15日から有効となる。
引当金に関する通達
2019年8月8日付で財務省によって発行された通達48号 (Circular No. 48/2019/TT-BTC) の
引当金に関する主な改正点は以下のとおりである。
貸倒引当金
2009年12月7日付で財務省によって発行された通達228号 (Circular No. 228/2009/TT-BTC) では、破産更生債権に対する貸倒引当金が損金算入費用として認められるためには、企業は債務残高照合書を取得する必要があると規定されている。これに対し通達48号では、当該債務残高照合書が入手できない場合には、取引先に発送された債務残高照合書の確認依頼書、または請求書など (宅配業者のスタンプ、または確認書を入手する必要がある) が、当該破産更生債権に対する貸倒引当金が損金算入費用として認められるための適格な証拠となると規定されている。
また、本通達には、通信業や小売業など、特定の業種の貸倒引当金の算定方法に関する規則が追加されている。
金融投資引当金
企業は、ベトナム国内の金融投資に対してのみ、引当金の計上が認められている。本通達は、2019年10月10日から有効となり、2019年度より適用される。本通達の発行により、
2009年12月7日付で財務省によって発行された通達228号 (Circular No. 228/2009/TT-BTC)
2011年3月14日付で財務省によって発行された通達34号 (Circular No. 34/2011/TT-BTC)
通達228号 の改正及び補足のために2013年6月28日付で財務省によって発行された通達89号 (Circular No. 89/2013/TT-BTC)
並びに、引当金に関して本通達と異なる内容の、その他の規定は効力を失う。
法人所得税の優遇税制に関するオフィシャルレター
2019年8月22日、法人所得税の優遇税制に関するオフィシャルレター1903号 (Official Letter No. 1903/CT-TTHT) がバクニン税務局によって発行された。企業が、当初法人所得税の優遇税制が適用されない地域にて投資プロジェクトを開始し、その後、法人所得税の優遇税制が適用される地域に当該投資プロジェクトを移管した場合であっても、当該プロジェクトの収入は法人所得税の優遇税制の対象とはならない。
但し、企業が投資プロジェクトを法人所得税の優遇税制が適用される地域に移管した後、プロジェクトの拡大を目的として増資を行い、拡大したプロジェクトが法人所得税関連法に規定される、法人所得税の優遇税制に関する基準を満たす限りにおいては、当該拡大したプロジェクトからの収入の増加分は、法人所得税の優遇税制の対象となる。
個人所得税上の居住者の判定基準に関するオフィシャルレター
2019年8月12日、個人所得税上の居住者の判定基準に関するオフィシャルレター15889号 (Official Letter No. 15889/CT-TTHT) がビンズン税務局によって発行された。外国人は、会社の住所を使用して一時在留登録を行い、有効期限1年以上のテンポラリーレジデンスカード、及び有効期限1年以上の労働許可証を取得した際には、課税年度におけるベトナムでの滞在日数が実際には183日未満であっても、他国での居住を証明できない限り、2013年8月15日付で財務省によって発行された通達111号 (Circular No. 111/2013/TT-BTC) 第1条1項b.2.2号に準拠し、当該外国人はベトナムの居住者と判定される。
輸出加工企業 (EPE) の税制に関するオフィシャルレター
2019年8月20日、輸出加工企業(EPE) の税制に関するオフィシャルレター (Official Letter No. 2250/CT-TTHT) がハイフォン税務局によって発行された。輸出加工企業 (EPE) が自社の工場及びオフィスを他の事業者に賃貸する場合、工場及びオフィスのリース料収入に関する付加価値税 (VAT) 及び法人所得税 (CIT) の取り扱いは下記のとおりである。
– インボイス及びVAT: 企業はEPE及びEPE以外の取引先に対して、Sales Invoice (2014年3月31日付で財務省によって発行された通達39号 (Circular No. 39/2014/TT-BTC) に添付されたフォーム07KPTQ を発行する 必要がある。
– 借手がEPEの場合、工場及びオフィスのリース料収入はVATの対象にならない。
– 借手がEPEまたは非関税地域内の法人及び個人ではない場合、企業は直接法に基づいてVAT申告書フォームNo. 04/GTGTを使用し、5%の税率を適用し、VATを申告納税する必要がある。
– CIT: 企業が増資をせずに、工場及びオフィスのリース (または投資登録証明書に記載されないその他事業活動) を行っている場合、又は当該事業活動が拡大投資プロジェクトに関連しない場合、当該リース料収入は法人所得税の優遇税制の対象とはならない。