2025年6月ニュースレター
付加価値税(VAT)の税率引下げに関する政策
2025年6月30日付で発行された政令第174号(Decree No.174/2025/ND-CP)は、国会により2025年6月17日付で発行された決議第204号(Resolution No.204/2025/QH15)に基づき、付加価値税(VAT)の税率引下げに関する政策を定めている。
付加価値税法第174号(Value Added Tax No. 48/2024/QH15)第9条3項に規定される商品及び役務については、付加価値税率を10%から8%に引き下げるものとする。ただし、次に掲げる商品及び役務は、本措置の適用対象外とする:電気通信、金融、銀行、証券、保険、不動産の各業務、金属製品、鉱物製品(石炭を除く)、及び特別消費税の課税対象となる商品及び役務(ガソリンを除く)。
本決議は、2025年7月1日から2026年12月31日までの間において効力を有する。
政府による「インボイスおよび証憑類に関する規定」を定める2020年10月19日付けの政令第123号(Decree No.123/2020/ND-CP)(以下「政令123」)の一部を改正する政令第70号(Decree No.70/2025/ND-CP)(政令70)の公布
1. 電子インボイスの適用対象として追加される者
追加される適用対象者は、ベトナムに恒久的施設を有さず、電子商取引、デジタルプラットフォームを通じた取引、その他のサービスを提供する外国事業者であり、電子インボイスの使用について任意で登録することが認められる。
2. インボイスの発行を第三者に認めるための追加規定
販売事業者(個人事業主および家族経営を含む)は、自己の財貨の販売およびサービスの提供に係る電子インボイスの発行を第三者に委託することが認められる。
3. 輸出加工区企業(EPE)におけるインボイスの種類に関する追加規定
輸出加工区企業(EPE)が輸出加工以外の事業を行う場合、付加価値税を直接法で申告する際は販売用インボイスを、仕入控除方式で申告する際は付加価値税インボイスを使用する。
4. 電子商取引による輸出・国外サービス提供に係るインボイス制度の補足
2025年6月1日以降、輸出事業者は、電子商取引インボイスを補足的なインボイス様式として使用することが認められる。
5. インボイス発行時期の補足対象となる主なケース
輸出貨物(輸出用の加工を含む)、海外の法人および個人に対するサービス提供、大量の商品の販売およびサービスの提供等
6. インボイスの記載内容
購入者情報として、氏名、住所、税番号に加えて、個人識別番号または国家予算関連機関コードを記載するものとする。
7. 電子インボイスの差替えおよび修正
誤って発行したインボイスの取消に関する既存の規定は削除された。
電子インボイスの誤発行に対して、修正または差替えを行う前に、購入者が企業、経済団体、その他の組織、事業者または個人事業主である場合、売り手および買い手は、誤って記載された内容を明確にした書面による合意を締結しなければならない。
購入者が個人である場合は、売り手は当該購入者に通知するか、または自社のウェブサイト上で通知しなければならない。
電子インボイスに係る電子署名は、発行日から起算して1日以内に実施しなければならない。また、売り手はインボイスの発行日時に基づき税務申告を行い、買い手はインボイスの受領日時に基づき税務申告を行うものとする。
法人所得税法(CIT)–法律第67号(Law No.67/2025/QH15)
1. 本規定は2025年10月1日より施行され、2025年度の法人所得税課税年度より適用されるものとする。
2. 追加の非課税所得
証排出削減量(CERs)およびカーボンクレジットの譲渡による所得、認証排出削減量(CERs)およびカーボンクレジットの発行後における初回譲渡による所得、グリーンボンドの利子による所得、およびグリーンボンドの発行後における初回譲渡による所得
(2025年法人所得税法第4条)
3. 税率
法人所得税の基本税率は 20% とする。年間総収入が 30億ベトナムドン以下の企業には15% の税率を適用する。年間総収入が 30億ベトナムドン超〜500億ベトナムドン以下の企業には17% の税率を適用する。
(2025年法人所得税法第10条)
ただし、当該規定は、関連企業が優遇税率の適用条件を満たしていない子会社又は関係会社には適用されないものとする。
(2025年法人所得税法第18条4項)
4. 法人所得税の優遇措置の対象となる分野および業種の追加
・ 2008年制定のハイテクノロジー法に基づくハイテク企業およびハイテク農業企業、ならびに2013年制定の科学技術及びイノベーション法に基づく科学技術企業
・中小企業(SME)向けのビジネス支援施設への投資には、技術支援施設、中小企業インキュベーターのほか、中小企業のスタートアップおよびイノベーションを支援するコワーキングスペース事業への投資が含まれ、2017年中小企業支援法の規定に従うものとする。
・ 報道機関(新聞広告を含む)は、報道法の規定に基づくものとする。
5. 新たな法人所得税法では、税の免除および軽減に関する規定も設けられており、その詳細は2025年法人所得税法第14条に記載されている。