2023年7月ニュースレター
税務管理
税務調査プロセス
2023年7月14日、税務総局は税務調査プロセスに関する決定970号(Decision No. 970/QD-TCT )を発行した。詳細は以下のとおりである。
税務機関や納税者(企業)の本社での税務調査を含む税務調査プロセスに関する決定は、2023年7月14日から有効となる。
本決定のセクションⅡ-1.2によると、税務機関における税務調査対象企業の選定は、税務リスクが高い企業が優先され、かつ、税務調査を受けていない期間(5年以上)を考慮のうえ、行われる。
同様に、本決定のセクションⅢ-1.2によると、本社機能による内部監査においても、リスクが高いものから低いものへのランク付けの結果に基づき、5年以上内部監査を受けていない企業を考慮し、選定することとされている。
また、本決定のセクションⅢ-1.3によると、以下の場合は、税務当局が計画を立てることなく、企業の本社に対して予定外の税務調査を行う権利を有する。
– 督促状による税務調査
– 税務局長の指示による税務調査
– 企業の要請による税務調査(分割、合併、統合、企業形態の転換、閉鎖、事業廃止、株式化、納税者番号の無効化、企業登録住所の変更による管轄税務局の変更)
– 税金還付前の税務調査
– 税務局による確認後、提案された税務調査
– その他予期せぬ税務調査
本決定のセクションⅣには、税務調査チームと企業間の電子取引方法に関する規定が記載されている。
本決定は署名日より有効となる。
本決定は、2015年4月20日付の決定746号(Decision No. 746/QD-TCT )、及び2020年9月3日付の決定1215号(Decision No. 1215/QD-TCT )に代わるものである。
法人所得税(CIT)
個人所得税の申告・計算代行費用、個人向けヘルスケア会員カードの購入費用の取り扱い
2023年7月18日、ハノイ税務局は、オフィシャルレター51950号(Official Letter No. 51950/CTHN-TTHT) を発行した。詳細は以下のとおりである。
企業が、個人所得税の申告・計算代行費用や、 企業に勤務している外国人従業員のためのヘルスケア会員カードの購入費用を給与から控除する場合、当該費用は法人所得税の損金算入対象となる。また同時に、これらの費用は、通達96号(Circular No. 96/2015/TT-BTC) 第 4 条1項の規定を満たさなければならず、かつ労働契約書・集団労働協約・財務規則のいずれかに定義されている必要がある。但し、財務省による 2015 年 6 月 22 日付の通達96号第 4 条 2 項に規定される法人所得税の計算にあたって損金不算入費用となる場合は除く。
必要な法的書類を揃えたeウォレットを通じた給与支払に必要な法的書類
2023年7月17日、ハノイ税務局は、eウォレットを通じた給与支払に必要な法的書類に関するオフィシャルレター51356号(Official Letter No. 51356/CTHN-TTHT )を発行した。当該オフィシャルレターによると、企業が従業員に対して eウォレットを通じて給与を支払った際には、通達96号(Circular No. 96/2015/TT-BTC )第4条1項の規定を満たした法的書類を揃える必要があり、また、通達96号第4条2項に規定される損金不算入となる従業員への給与、賃金およびその他の支払債務の支払に該当しない場合に限り、当該費用は法人所得税の計算にあたり、損金算入費用となる。