2015年4月ニュースレター
従業員に対する住宅手当の個人所得税上の取り扱いに関するオフィシャルレター
2015年4月13日、従業員に対する住宅手当の個人所得税上の取り扱いについて定めたオフィシャルレター1348号(Official Letter No. 1348/TCT-TNCN)が財務省によって発行された。
2013年8月15日付で財務省によって発行された通達111号(Circular No. 111/2013/TT-BTC)第1条によると、
納税者が居住者の場合、給与の支払及び受取場所に関係なく、ベトナム国内及び国外で生じた所得が課税所得となる。
納税者が非居住者の場合、給与の支払及び受取場所に関係なく、ベトナム国内で生じた所得が課税所得となる。
通達111号第2条2項dd号によると、
従業員に対する現金又は非現金支出による付加給付(家賃、電気及び水道料金、その他付加給付)は個人所得税の課税所得に含まれる。ただし、家賃においては、家賃を除いた総所得の15%を上限とする。
本オフィシャルレターによると、日本本社からの異動によってベトナム子会社に配属された日本人従業員に関して、日本本社での役職及び職務がなく、日本本社から給与 (ベトナム子会社から日本本社に立替精算する必要なし)、及びベトナム子会社からも給与及び家賃が支給されている場合、当該家賃はベトナムでの個人所得税の課税所得に含まれるが、当該家賃を除いた日本本社及びベトナム子会社から支給される総所得の15%を上限とする。
従業員の制服費用の法人所得税上の取り扱いに関するオフィシャルレター
2015年4月22日、従業員の制服費用の法人所得税上の取り扱いについて定めたオフィシャルレター1542号 (Official Letter No. 1542/TCT-CS) が財務省によって発行された。
法人所得税上の損金不算入費用について規定した2014年6月18日付の通達78号 (Circular No. 78/2014/TT-BTC)第6条2.6項によると、
インボイス及び関連証憑のない従業員に対する現金又は直接支給による制服費用は年間一人5百万ドンまで損金に算入することができる。
現金及び直接支給の両方によって制服費用を従業員に支給する場合、合計で年間一人5百万ドンまで損金に算入することができる。
法人所得税法の適用指針に関する通達78号第6条2項2.31号について改正した2014年10月10日付の通達151号(Circular No. 151/2014/TT-BTC)第1条によると、
課税所得(収益)に関連しない費用は損金に算入することができない。ただし、従業員の福利厚生のために直接支出された下記の費用を除く。従業員の家族のために支払われた費用、休暇及び治療に関する費用、訓練費用、自然災害及び事故等への支援費用、従業員の子供に対する教育費用、休暇期間中の旅行に関する費用、その他従業員の福利厚生に関する費用。ただし、当該費用の内、年間の従業員の平均給与の1ヶ月分を損金算入の上限とする。
本オフィシャルレターによると、通達78号及び通達151号に基づき、従業員に対する支度費用及びその他福利厚生に関する費用は、年間の従業員の平均給与の1ヶ月分を上限に、損金に算入することができる。
従業員の生命保険料の法人所得税上の取り扱いに関するオフィシャルレター
2015年4月7日、従業員の生命保険料の法人所得税上の取り扱いについて定めたオフィシャルレター1542号(Official Letter No. 1542/TCT-CS)が財務省によって発行された。
2013年12月26日付の政令218号(Decree No. 218/2013/ND-CP)第9条2項o号によると、
従業員に対して支払われる任意の年金基金、年金保険、生命保険料及び社会保険法、健康保険法に規定された強制保険(健康保険、社会保険、失業保険)の料率を超える保険料の内、一人当たり月1百万ドンを超える費用は法人所得税の損金に算入することができない。
また、金額が上記の範囲内であっても、当該費用を損金に算入する場合、雇用契約書、労働協約、社内財務規定、権限者の承認のある報酬規定等の内のいずれかに内容を記載しなければならない。
政令218号第9条2項o号について改正した2015年2月15日付の政令12号(Decree No. 12/2015/ND-CP)第9条7項によると、
従業員に対して支払われる任意の年金基金、年金保険及び社会保険法、健康保険法に規定された強制保険(健康保険、社会保険、失業保険)の限度額を超える保険費用の内、一人当たり月1百万ドンを超える費用は法人所得税の損金に算入することができない。
また、金額が上記の範囲内であっても、当該費用を損金に算入する場合、雇用契約書、労働協約、社内財務規定、権限者の承認のある報酬規定等のいずれかに支給内容を記載しなければならない。
本オフィシャルレターによると、政令12号第9条7項に基づき、2015年1月1日より、従業員に対する生命保険費用の一人当たり月1百万ドンの損金算入限度額の規定が廃止された。ただし、法令で要求される文書に内容を記載しなければならない。
付加価値税(VAT)に関するオフィシャルレター
2015年4月14日、事業ライセンスに記載のない事業における仮払及び仮受VATの申告納税について定めたオフィシャルレター1387号(Official Letter No. 1387/TCT-KK)が財務省により発行された。
仮払VATを控除する場合の要件について定めた2012年1月11日付の通達6号 (Circular No. 06/2012/TT-BTC) 第14条14項及び第15条1、2項及び2013年12月31日付の通達219号 (Circular No. 219/2013/TT-BTC) 第14条15項及び第15条1、2項によると、
下記の場合、事業者は仮払VATを控除することができない。
-VATインボイスにVATが明記されていない (ただし、VAT込の金額がインボイスに記載されている特別な場合を除く) 等、 関連法令に準拠してVATインボイスが使用されていない場合
-売り手の名前、住所、税コード等の情報がインボイスに明記されておらず、売り手の認識ができない場合
-買い手の名前、住所、税コード等の情報がインボイスに明記されておらず、買い手の認識ができない場合(ただし、通達219号第14条11項の規定される場合を除く)
-インボイスに実際と異なる財又はサービスの金額が記載されいる等、インボイスが偽造又は不正に作成されている場合
下記の場合、事業者は仮払VATを控除することができる。
-購入した財又はサービスの適法なインボイスを保持していること
-輸入時のVAT納税証憑を保持していること
-ベトナム国内で事業を行いベトナム国内に法人がない外国事業者に代わってVATを納税する場合の納税証憑を保持していること。
また、20百万ドン以上の財又はサービス(輸入財を含む)を購入した場合、銀行送金による支払証憑を保持しなければならない(ただし、合計金額が20百万ドン以上の場合でも、各財又はサービスの金額が20百万ドン未満の場合は除く)。
本オフィシャルレターによると、事業ライセンスに記載されていない事業における仮払VATにおいても、通達6号及び通達219号に準拠する限りにおいて、控除することができる(ただし、当該事業が関連法令によって条件付又は禁止されていない場合に限る)。
資本投資からの所得の個人所得税の取り扱いに関するオフィシャルレター
2015年3月17日、資本投資からの所得の個人所得税上の取り扱いについて定めたオフィシャルレター917号 (Official Letter No. 917/TCT-TNCN) が税務総局によって発行され、一人有限会社の所有者に対する法人所得税支払後の利益の配当について規定している。
- 2015年1月1日以前
2007年11月21日付の個人所得税に関する法令21号 (Law No. 04/2007/QH12) 第3条及び個人所得税法の適用指針について定めた2013年6月27日付の政令65号 (Decree No. 65/2013/ND-CP) 第3条によると、
資本投資からの所得は下記を含む。
a)借入利息
b)配当金
c)その他信用、土地使用権、発明等への資本投資からの所得 (ただし、国債の利息を除く)
2013年8月15日付の通達111号(Circular No. 111/2013/TT-BTC)によると、
有限会社への資本投資からの所得 (一人有限会社への資本投資も含まれる)は個人所得税の課税所得に含まれる。
通達111号に基づき、一人有限会社の所有者への法人所得税支払後利益の配当金は個人所得税の課税所得に含まれる。
- 2015年1月1日以降
税法の適用指針について定めた2015年2月12日付の政令12号(Decree No. 12/2015/ND-CP)第2条4項によると、資本投資からの所得は下記を含む。
c)その他信用、土地使用権、発明等への資本投資からの所得 (ただし、国債の利息及び一人有限会社からの法人所得税支払後の利益配当額を除く)
政令12号第6条1項によると、本法令は2014年11月26日付で発行された法令71号の有効日(2015年1月1日)より有効となる。
本オフィシャルレターによると、政令12号に従い、2015年1月1日以降、一人有限会社の所有者への配当金は個人所得税の課税所得に含まれない。
本オフィシャルレターは、2014年10月16日付のオフィシャルレター4568号(Official Letter No. 4568/TCT-TNCN)に取って代わる。
未消化有給休暇の取り扱いに関するオフィシャルレター
2015年4月13日、有給休暇の個人所得税の取り扱いについて定めたオフィシャルレター1287号(Official Letter No. 1287/LDDTBXH-LDTL)が労働傷病兵社会省によって発行された。
労働法第97 条c号及び2015年1月12日付の政令5号(Decree No. 05/2015/ND-CP)第25条2項c号によると、
従業員が有給休暇日に時間外労働をした場合、通常の賃金又は従事した業務の実際の報酬の少なくとも300%を受け取ることができる。なお、本支給には労働法が規定する未消化の有給休暇の賃金としての精算分を含んでいない。
2015年1月12日付の政令5号第26条4項によると、
一部又は全部の未消化の有給休暇の賃金による精算額は、政令5号第26条3項の平均給与額(直前の6ヶ月の平均給与額)を通常の勤務日で除し、未消化の有給休暇日を乗じて求められる。
本オフィシャルレターによると、政令5号に基づき、祝日又は有給休暇日に時間外労働をした従業員は少なくとも通常の賃金の300%を受け取ることができる(本支給には労働法に規定されている未消化の有給休暇の賃金としての精算分は含まない)。従業員が、退職及びその他の理由により、一部又は全部の有給休暇が未消化となっている場合、政令5号に基づいて賃金によって精算される。