2015年3月ニュースレター
通関手続に関する新通達
2015年3月25日、通達128号(Circular No. 128/2013/TT-BTC)及びその他の関連法令に取って代わる、通関手続、管理、検査及び輸出入税務に関する通達38号(Circular No. 38/2015/TT-BTC)が発行された。
– 通関の際に、商業契約書及び詳細なパッキングリストを関税局に提出する必要がなくなった(ただし、一時的に輸入される財を除く)。また、優遇企業、輸出加工品、非商業品に対しては、商業インボイスを提出する必要はなくなった。1つの通関申告書には50商品分の記載欄があり、同じ商品コード、原産地、税率ものはまとめて記載することができる。
– 輸出入に関する通関書類を提出した後に、使用目的を変更する場合(再輸出する目的からベトナム国内販売をする目的に変更する場合等)、目的変更に伴う新たな手続を行なわなければならない。
– 契約書が1つで輸送が数回に分けて行なわれる輸出入財の評価額についての協議は一度に行なうことができる。
– 原産地証明書を輸入時又はベトナムが加盟する国際協定に規定された期日までに提出しなければならない。特別優遇税率を適用する場合は、原産地証明書を必ず提出しなければならない。
– 製造委託契約書内の委託先に関する事項に変更がない場合で、余剰となった在庫の種類、仕様、品質が同様の場合、その次の契約書を適用することができる。また、使用目的が変更される在庫金額が製造加工のために輸入された総在庫金額の3%未満となる場合、目的変更の手続は不要である。
– 輸出加工に使用される在庫の標準消費量の届け出制度が廃止された。また、年に1度、在庫状況についての報告書を関税局に提出しなければならない。
– 商業契約書及び在庫の標準消費量の届け出が不要になる等、税務申告及び還付免税の手続きが簡素化された。
本通達は、その他、受取人が財の受取りを拒否した場合や本社における認可後の通関検査のタイミング等についても規定している。本通達は2015年4月1日より有効となる。
通関手続に関するオフィシャルレター
2015年3月31日、通関手続に関する通達38号(Circular No. 38/TT-BTC)の適用指針について定めたオフィシャルレター(Official Letter No. 2733/TCHQ-GSQL)が関税総局によって発行された。
本通達は下記の事項について規定している。
– 倉庫、港湾、国境地域に保管されている輸出入財の通関検査について
– 申告者によって提出された通関書類の検査について
– 財の物理的な検査について
– 輸出製造加工のための輸入財に適用される通関手続について
– 通関書類の内の財の移転に関する証憑について
– 電子通関申告の使用について
– 輸出入財に適用される通関管理について
– その他輸出入に関する事項について
通関時の輸出入財の評価の関する新通達
2015年3月25日、通関時の輸出入財の評価の関する新通達39号(Circular No. 39/2015/TT-BTC)が発行された。本通達は、2015年4月1日より有効となる。
– 輸入財の評価額を決定する際に2つ以上の同一又は類似の財の評価額を適用する場合、評価額の低い方を適用する。
– 輸入財の評価額を決定する際に同一又は類似の財の評価額を適用する場合、商業契約書が根拠資料の1つとなる。
– 著作権及びライセンスフィーの評価額が販売価格に基づいて決定される場合、支払日から5日以内に申告しなければならない。
– 著作権及びライセンスフィーの評価額が直接関連しないその他の輸入財に基づいて決定される場合で、著作権及びライセンスフィーの金額が輸入財の金額と分けることができない場合、取引価格に基づいて評価額を決定することができない。
本通達は、その他、輸入時に最終評価額が決定されていない場合、関税が非課税又は免税となった財の使用目的を変更した場合、売り手と買い手が特別な関係にある場合等についても規定している。
インボイスの訂正に関するオフィシャルレター
2015年3月24日、インボイスの訂正に関するオフィシャルレター1005号(Official Letter No. 1005/TCT-CS)が税務総局によって発行された。
2015年2月27日付の通達27号(Circular No. 26/2015/TT-BTC)第3条7.b項によると、財又はサービスが提供され、VATインボイスが買い手に発行され、売り手及び買い手がVATを申告した後に、VATインボイスの買い手の名前及び住所が誤っていたことが分かった場合、インボイスを直接訂正する代わりに、訂正証憑を作成することができる(ただし、税コードが正しい場合に限る)。
その他、インボイスが誤って記載された場合の取り扱いについては通達39号(Circular No. 39/2014/TT-BTC)第20条に規定されている。
法人税の優遇税制に関するオフィシャルレター
2015年3月25日、法人税の優遇税制に関するオフィシャルレター1029号(Official Letter No. 1029/TCT-CS)が税務総局によって発行された。
法人税に関する法令14号(Law No. 14/2008/QH12)及び政令124号(Decree No. 124/2008/ND-CP)の適用指針について定めた、2008年12月26日付の通達130号(Circular No. 130/2008/TT-BTC)のパートIの6項によると、
“2009年から事業を行っている事業者で、新規の製造ラインの設営、生産規模の拡大、技術の刷新、環境保全の改良を行った事業者は、その追加投資による所得に優遇税制を適用することができない。2009年以前に優遇税制の認可を受けた投資プロジェクトにおいては、引き続き、残存期間において優遇税制を適用することができる。追加投資によって増加した所得には現在税率28%が適用されているが、今後25%の税制が適用される。”
上記の規定の通り、2008年以前に認可された新規投資プロジェクトにおいては優遇税制が適用される。しかし、2009年に追加投資がなされ、2009年以降に運営が開始された追加投資による所得は分けて計上し、優遇税制を適用することができない。