2015年11月ニュースレター
強制社会保険に関する新政令
2015年11月11日、社会保険法(Law No.58/2014/QH13)の適用指針について規定した政令115号(Decree No. 115/2015/ND-CP)が政府によって発行された。
強制社会保険の対象となる月額給与
本政令第17条によると、
- 2016年1月1日から2017年12月31日までの期間は、労働契約書に記載されている給与及び手当の合計額に基づいて社会保険料が計算される。
- 2018年1月1日以降は、労働契約書に記載されている給与、手当、その他給付の合計額に基づいて社会保険料が計算される。
未納となっている強制社会保険料の納付
本政令第18条によると、下記の場合、未納となっている強制社会保険料を納付しなければならない。
- 社会保険の対象となる月額給与の増加分の社会保険料が未納となっている場合
- 従業員が国外で勤務している期間の社会保険料が未納となっている場合
上記の場合、社会保険料の納付の遅延による利息は課せられない。ただし、社会保険の対象となる月額給与の増加の決定日から6ヶ月後、又は、国外で勤務する従業員との労働契約の終了日後に未納の社会保険料が納付される場合、遅延利息が課せられる。
社会保険料の計算における外国通貨建ての給与のベトナムドンへの換算
本政令第26条によると、
- 外国通貨建ての給与の社会保険料を計算する場合、下記の為替レートを使用してベトナムドンへ換算しなければならない。
– 1月から6月までの6ヶ月間:1月2日付の中央銀行のインターバンク平均レート
– 7月から12月までの6ヶ月間:7月1日付の中央銀行のインターバンク平均レート
- 社会保険の管理簿において、社会保険の対象となる月額給与をベトナムドンで表示しなければならない。
本政令は、2016年1月1日より有効となる。ただし、1ヶ月以上3ヶ月未満の労働契約を結ぶ従業員に適用される新規定は2018年1月1日より有効となる。
ハイテク企業に適用される法人税の優遇税制に関するオフィシャルレター
2015年12月26日、ハイテク企業に適用される法人税の優遇税制に関するオフィシャルレター5006号(Official Letter No. 5006/TCT-CS )が税務総局によって発行された。
法人税の優遇税制が適用されるハイテク企業において、銀行預金及び為替予約からの利息収益は、ハイテク分野の事業活動によるものではなく、財務活動によるものであるため、法人税の優遇税制の対象とならない。
給与テーブルの登録に関するオフィシャルレター
2015年11月25日、地域別最低賃金に関する2015年11月14日付の政令122号(Decree No. 122/2015/ND-CP)の適用指針について規定したオフィシャルレター25416号(Official Letter No. 25416/SLDTBXH-LD)が労働・傷病兵・社会省のホーチミン市事務所によって発行された。
本オフィシャルレターは、ホーチミン市の企業における地域別最低賃金の施行及び給与テーブルの登録について下記の通り規定している。
企業は、地域最低賃金の規定従って、給与テーブルの見直し、改定及び補足をしなければならない。改定及び補足された給与テーブルを従業員に開示し、労働組合の代表者及び従業員から同意を得なければならない。また、同意が得られた給与テーブルを2015年12月31日以前に事業拠点のある地域の人民委員会(労働・傷病兵・社会省の事務所)に提出しなければならない。
贈与した財のVATの取扱いに関するオフィシャルレター
2015年11月5日、贈与した財の付加価値税(VAT)の取扱いに関するオフィシャルレター4641号(Official Letter No. 4641/TCT-CS)が税務総局によって発行された。
本オフィシャルレターによると、財を贈与した場合、当該財に適用されるVAT率が反映されたVATインボイスを発行し、仮受VATを申告納税しなければならない。
当該財の購入又は製造に関わる仮払VATは、通達219号(Circular No. 219/2013/TT-BTC)のVAT控除に関する他の規定に従う限りにおいて、仮受VATから控除することができる。
下記の規定は本オフィシャルレターの結論の根拠となるものである。
2013年12月31日付のVATに関する通達219号の第7条パラグラフ3及び第14条パラグラフ5によると、
3. 贈与、寄付、賃金の代用として使用される財又はサービス(外部からの購入かを問わない)のVATの課税標準額は、同等の種類の財又はサービスの課税標準額と同額となる。
5. VATが課税される財の販売促進又は広告宣伝のために贈与される財(外部からの購入又は内部での製造を問わない)に関する仮払VATを控除することができる。
通達219号第15条によると、仮払VATを控除するためには、下記の証憑が必要となる。
- 適法なインボイス
- VAT込みで20百万ドン以上の財(輸入財を含む)を購入する場合の非現金支払証憑
非現金支払証憑は、第15条3項及び4項に規定されている銀行送金及びその他の非現金支払による証憑が含まれる。
銀行送金証憑は、(税務局に登録又は通知されている)買い手の口座から売り手の口座に、適法な形式によって代金が送金されたことを示す根拠証憑となる。
輸出加工企業(EPE)における税務の取扱いに関するオフィシャルレター
2015年11月20日、EPEにおける税務の取扱いに関するオフィシャルレター4922号(Official Letter No. 4922/TCT-KK)が税務総局によって発行された。
本オフィシャルレターによると、国外又は非関税地域でEPEが購入した財又はサービスにはVATが課税されない。
下記のVAT法(Law No. 13/2008/QH12)第5条は、本オフィシャルレターの結論の根拠となるものである。
国境ゲート外へ移転される又はベトナム国内を単に通過するのみの財、再輸出のために一時的に輸入された財、再輸入のために一時的に輸出された財、外国事業者との契約による輸出販売のために製造又は加工される輸入原材料、国外と非関税地域又は非関税地域間で取引される財又はサービス
工場団地、輸出加工区、経済区における税務の取扱いに関する新政令
2015年11月9日、工場団地、輸出加工区、経済特区に関する政令114号(Decree No. 114 /2015/ND-CP)が政府によって発行され、2015年12月25日より有効となる。
本政令は、工場団地、輸出加工区、経済特区に関する2008年3月14日付の政令29号(Decree No. 29/2008/ND-CP)を改定及び補足した2013年11月12日付の政令164号第1条パラグラフ9を廃止している。廃止された規定は下記の通りである。
ベトナム国内で財の売買事業又はベトナム国内での売買取引に直接関連する事業を実施することを認可されたEPEは、輸出加工区外に支店を設立して、当該事業を実施しなければならない。
上記の廃止された規定は下記の通達38号(Circular 38/2015/TT-BTC)第77条の規定と整合していなかったため、本政令114号によって当該不整合が解消され、支店の設置が求められないことが明記された。
2007年2月12日付の政令23号(Decree No. 23/2007/ND-CP)に従って、ベトナム国内で財の売買事業又はベトナム国内での売買取引に直接関連する事業を実施することを認可されたEPEは、製造活動とは分けて当該事業活動を帳簿に記録し、また、輸出入事業及び流通事業のために輸出入された財の保管場所を別途設けなければならない。