2015年8月ニュースレター
企業コードの発行及び税務当局の管轄についての新通達
2015年8月21日、企業コードの発行及び税務当局の管轄について規定した通達127号(Circular No. 127/2015/TT-BTC) が財務省によって発行された。
新規事業者の企業登記の自動化
2015年10月10日より、新規事業者は、国家企業登記情報システム(National Business Registration Information System)に企業情報を電子的に提出し、企業コードの申請をしなければならない。国家企業登記情報システムと連携する税務総局の税務管理システムが、提出された情報が網羅的かつ正確で、企業法(Law No. 68/2014/QH13)及び税務法令(Law No. 78/2006/QH11)に準拠しているかどうかを自動的に検証する。情報の正確性及び適法性が確認されると、税務管理システムから企業コードが発行され、当該企業を管轄する税務当局が決定される。
当該システムの導入により、別途税コードを発行する必要がなくなった。企業法第30条によると、企業コードは納税義務の履行、行政手続の実施、その他の権利及び義務の行使及び履行の際に使用される。
各省及び地区の税務当局の管轄範囲
各省の税務当局は、下記の企業の税務業務を管轄する。
- 国有企業
- 外国直接投資企業(FDI企業)
- 建設・運営・譲渡契約(BOT契約)、建設・譲渡・運営契約(BTO契約)、建設・譲渡契約(BT契約)に関わる企業
- 複数の分野の事業を営み、本社でまとめて会計処理をしている企業
- 複数の拠点で事業を営んでいる企業(全国的な通信事業者等)
- 大規模な事業を営んでいる企業
- 法令に従って、複数の省又は同省内の複数の地域で、収益を得ている企業
- 金融、保険、証券、会計及び監査、法律、鉱物開発等の特定の事業を営んでいる企業
各地区の税務当局は、その他の企業の税務業務を管轄する。
国家企業登記情報システムによる税務違反者への警告
国家企業登記情報システムは、下記の企業に対して、ウェブサイト上で警告を行なう。
- 企業の経営者に税務法令違反の兆候があり、法令に従って警察が捜査を行なっている場合
- 企業法に準拠しない方法で企業が設立された場合
- 企業の経営者、社員総会のメンバー、取締役会のメンバー、パートナーシップのパートナーが、以前税務当局から登記場所で事業を行っていないと通告された企業の下記のメンバーであった場合
- 私営企業の所有者
- 社員総会の会長、取締役会の会長、有限責任会社又は株式会社の取締役又は社長
- パートナーシップ企業のパートナー
- 法的代表者
本通達は2015年10月10日より有効となる。
EPE企業の過剰材料における税務上の取り扱いに関するオフィシャルレター
2015年7月24日、EPE企業の過剰材料における輸入税及び付加価値税(VAT)の取り扱いについて規定したオフィシャルレター6790号(Official Letter No. 6790/TCHQ-TXNK) が税関総局によって発行された。
輸入税
2010年8月13日付の政令87号(Decree No. 87/2010/ND-CP)によると、過剰材料が倉庫に保管されており、国内市場に販売されていない場合は、輸入税の対象とはならず、税務行政法第39条の違反とはならない。
2008年3月14日付の政令29号(Decree No. 29/2008/ND-CP)第21条1項によると、EPE企業には非関税地域における法令が適用される。
政令87号第2条3項によると、非関税地域から国外に輸出される財、非関税地域内で使用されるために国外から輸入された財、非関税地域から他の非関税地域へ輸送される財は、輸入税の対象とならない。
税務行政法第39条によると、下記の場合、通関局は、輸出入された財の税額を計算する。
a)不適法な証憑よって、不正確に税額が計算及び申告された場合
b)関連証憑の通関局への規定された期日までの提出が拒否された場合、又は提出が当該期日を遅延した場合
c)申告金額が実際の取引価値と相違していることを証明する十分な証跡を通関局が保持している場合
d)納税者が自身で税額を計算することができない場合
VAT
EPE企業が税務行政法第39条に準拠している限りにおいて、VAT法(Law No. 13/2008/QH12)に従い、過剰材料はVATの対象とはならない。
VAT法第5条20項によると、非関税地域と国外における取引及び非関税地域内での取引にはVATが課税されない。
EPE企業が過剰材料を国内市場に販売した場合、又は税務不正をした場合、通関局は輸入税及びVATを課税する。
保税倉庫に保管される財における外国契約者税(FCT)に関するオフィシャルレター
2015年6月30日、保税倉庫から国内市場に販売される財のFCTの取り扱いに関するオフィシャルレター2652号(Official Letter No. 2652/TCT-HTQT)が税務総局によって発行された。
財務省によって発行された通達103号(Circular No. 103/2014/TT-BTC)第1条5項及び第2条5項によると、
輸出入取引、ベトナム国内での財の流通、商取引関連法令に基づきベトナム事業者と財の売買を行う国外事業者にはFCTが課税される。
国際輸送サービスのため、又は他の事業者が加工するまでの保管のために保税倉庫又は内陸コンテナヤードを使用している国外事業者にはFCTは課税されない。
本オフィシャルレターによると、ベトナム国内市場で販売するために保税倉庫に保管されている財には、FCTが課税される。
知的財産におけるVAT及びFCTの取り扱いに関するオフィシャルレター
2015年4月15日、知的財産及びその使用権の譲渡におけるVAT及びFCTの取り扱いについて規定したオフィシャルレター3159号(Official Letter No. 3159/CT-TTHT)がホーチミン市税務局によって発行された。本オフィシャルレターはVATに関する通達219号(Circular No. 219/2013/TT-BTC)及びFCTに関する通達103号について補足している。
国外事業者と知的財産を含んだ商標権の譲受契約を結んだ場合、当該取引にVATは課税されず、国外事業者への支払いの際にVATを源泉徴収する必要はない。ただし、FCTの法人所得税部分を源泉徴収しなければならない。
国外事業者と一定期間の商標使用権の借用契約を結んだ場合、通達103号に従い、国外事業者への支払いの際に、法人所得税に加え、VATを源泉徴収しなければならない。