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2015年10月ニュースレター

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企業法に関する新政令

2015年10月19日、企業法(Law No. 68/2014/QH13)の適用指針について規定した政令96号(Decree No. 96/2015/ND-CP)が発行された。

  • 2015年7月1日以前に設立された企業は、従来の社印を引き続き使用する上で、当局の事業登録の管轄部門へ社印のデザインを登録する必要はない。ただし、社印を追加で作成する又は社印のインクの色を変更する場合は、企業登録の規定に従い、社印のデザインを当局の管轄部門に登録しなければならない。
  • 2015年7月1日以前に設立された企業が、新しい社印を作成する場合、従来の社印及び社印の登録書を、登録書が発行された警察当局に返還しなければならない。警察当局は返還された社印を受領した際に、受領書を発行する。
  • 2015年7月1日以前に設立された企業が、社印又は社印の登録書を紛失した場合、本政令に従って新しい社印を作成すると同時に、紛失した事実を登録書が発行された警察当局に通知しなければならない。

本政令は、政令102号(Decree No. 102/2010/NĐ-CP)にとって代わり、2015年12月8日より有効となる。

 

女性従業員に対する方針についての新政令

2015年10月1日、労働法(Law No. 10/2012/QH13)の女性従業員に対する方針の条文の適用指針について規定した政令85号(Decree No. 85/2015/ND-CP)が政府によって発行された。

労働法第153条1項に規定される女性従業員の平等な労働権について、下記の通り詳細に規定された。

  • 雇用者は、雇用、業務、訓練、賃金、表彰、昇進、賃金の支払及び社会保険、健康保険、失業保険、労働条件、安全性、勤務時間、休憩時間、その他身体及び精神状態の支援のための福利厚生の方針において、男性従業員と女性従業員が平等であること保証しなければならない。
  • 当局は、労使関係及び優遇・暫定の減税政策において、上記の平等性を保証しなければならない。

当局は、本政令に従い、下記の事項を雇用者に奨励する。

  • 新規採用及び業務割当の際に、その職務が男性及び女性に従事可能で、両方の候補者が要件を満たしている場合、女性を優先すること。
  • 法令で規定されている方針より、女性従業員にとってより良い方針を設定及び実行すること。

女性従業員に対する保障として下記の通り規定された。

  • 雇用者は、保険省の規定に従い、職場に十分なバスルーム及びトイレを設置しなければならない。また、雇用者は、女性従業員の合理的な要望に応じて、柔軟な勤務体系を構築することが奨励される。
  • 女性従業員は下記の健康管理のサービスを受けることができる。
    • 定期健診の際の妊娠関連の検査。
    • 月経期間の、1ヶ月3日以上の30分の有給の休憩。
    • 幼児の養育期間の、授乳及び休憩のための1日あたり60分の有給の休憩。
  • 妊娠している従業員に、職務の継続が胎児に悪影響を及ぼすという確認書が医療機関から発行された場合、当該従業員は一方的に労働契約を解除又は停止することができる。
  • 雇用者は幼稚園の設置又は幼稚園費用の補助の計画を立てなければならない。

本政令は2015年11月15日より有効となる。

 

通達200号に関するオフィシャルレター

2015年9月9日、通達200号 (Circular No. 200/2014/TT-BTC)に関する大手監査法人 (BIG4)からの質問に対して回答したオフィシャルレター12568号(Official Letter No. 12568/BTC-CĐKT)が財務省によって発行された。

記帳通貨の選択

  • 企業の購入及び販売取引の大半が外国通貨で行なわれており、外国通貨を記帳通貨として使用する要件を満たしている場合でも、ベトナムドンを記帳通貨とすることができる。

外国通貨表示の財務諸表の換算

  • 財務諸表注記に記載される2015年1月1日時点の利益剰余金の金額を外国通貨からベトナムドンに換算する際は、2015年1月1日時点の為替レートを使用することができる。通達200号は2015年度より適用されているが、2015年1月1日時点の利益剰余金の換算において遡及適用が要求されていないためである。

その他為替レートに関する事項

  • 外貨での固定資産又は費用の購入(掛取引は除く)における換算には、買いレートが適用される。買いレートの適用は、資産の計上額が回収可能額を超えないことを確実にするためである。
  • 掛取引による外貨での固定資産又は費用の購入における換算には、売りレートが適用される。売りレートの適用は、負債の計上額が支払債務額を下回らないことを確実にするためである。

売上

  • 売上控除を正確に測定できる場合、売上が純額で計上されることになるが、売上控除の見越計上は認められていない。前期に売上が計上されたが、翌期にその売上控除が発生した場合、報告日後の後発事象の会計基準に従い、売上控除は売上が計上された会計期間又は売上控除が発生した会計期間に認識される。

前払費用

  • 短期前払費用及び長期前払費用の分類は、前払費用の残存期間ではなく、発生日からの当初の期間で判断されなければならない。
  • 長期前払費用の勘定科目は、無形固定資産の要件を満たさない一括で支払われた土地のリース料に使用される。そのため、“前払費用の増加又は減少”の項目は、単に期首残高と期末残高の差額を反映するわけではない。分割で土地のリース料が支払われる場合、当該現金支出は営業活動からのキャッシュフローに反映される。一方、一括で支払われた土地のリース料及び土地使用権における現金支出は投資活動からのキャッシュフローに反映される。

投資不動産

  • 通達200号に従い、売買を目的とした投資不動産を減価償却することはできない。通達200号は、遡及適用を認めていないため、通達200号の適用前の売買目的の投資不動産の減価償却の合計額は、減価償却累計額に計上され、取得原価と相殺してはならない。また、当該減価償却累計額は、財務諸表注記の項目において、その他の減価償却累計額と分けて開示されなければならない。
  • 投資不動産の価値が市場価値より低く、損失額が信頼性をもって測定できる場合、投資不動産の簿価を減額し、損失額を売上原価として計上しなければならない。また、国際会計基準の規定に従って減損損失を計上しなければならない。当該資産の価値が再度上昇した場合、簿価を増額する処理をすることができる(ただし、簿価の増加額は当該資産に計上された減損損失額が上限となる)。

会計記録

  • 事業者は、真実かつ公正な情報を財務諸表に反映させる限りにおいて、会計帳簿の形式を自らで設定することができる。通達200号は、従来の基準である決定15号と異なり、総勘定元帳において各取引の相手勘定を詳細に表示することを求めていない。

 

税務調査に関するオフィシャルレター

2015年10月27日、税務調査の際に納税遅延が判明した場合の手続きについて規定したオフィシャルレター4445号(Official Letter No. 4445/TCT-KK)が税務総局によって発行された。

本オフィシャルレターは税務調査期間に下記の事項が判明した場合について規定している。

  • 納税者が誤った日付でインボイスを発行し、税務申告及び納税の遅延につながる場合
  • 税務調査の前に、納税者が既にインボイスを発行し、上記の税務申告及び納税が完了している場合

上記の事項に該当する場合、下記の手続きがとられる。

  • インボイス使用の規定違反による罰金が科せられる
  • あるべきインボイスの日付に基づき税額が再計算され、実際に税務申告及び納税された日までの遅延利息が計算される

下記の規定は本オフィシャルレターの結論の根拠となるものである。

2010年5月14日付のインボイスの発行日について規定した政令51号(Decree No. 51/2010/ND-CP)第15条3項によると、

インボイスの発行日は、財又はサービスの所有権又は使用権が移転したと認められる手続きが売り手及び買い手によって実行された日付となる。所有権又は使用権が登録日から有効となると法令で規定されている取引の場合、インボイスの発行日は財の引渡日となる。

財が複数回又は品目毎に引き渡される場合及びサービスが段階毎に提供される場合、インボイスは引き渡し毎に、引き渡された財及びサービスの量及び価値の分だけ発行される。

2014年3月31日付の建設及び据付事業におけるインボイスの発行日について規定した通達39号(Circular 39/2014/TT-BTC)によると、

建設及び据付事業におけるインボイスの発行日は、支払がなされたかに関わらず、作業の完了が確認された日又は財が移転された日となる。

インボイス使用の規定違反による罰金について規定した政令51号第33条1項によると、

インボイス作成の際に必要事項が全て記載されていない場合又は本政令第15条に違反する場合、20万ドンから100万ドンの罰金が科せられる。

納税遅延による罰金の計算について規定した2013年11月15日付の通達166号(Circular 166/2013/TT-BTC)第41条1項によると、

納税遅延及び罰金については、税務管理法及びその関連規定に従う。

税務調査によって税金の過少申告が判明した場合、未納額に1日当たり0.05%の遅延利息が課せられる。罰金の決定書の支払期日から90日以内に納税をしなかった場合、未納額に1日当たり0.07%の遅延利息が課せられる。