2025年12月ニュースレター
第15期国会第10回会期にて、2025年12月10日に可決された法律第109号(Law No. 109/2025/QH15)に係る2025年個人所得税法の主な規定
1.1. 第2条に基づく納税義務者に関する規定
個人所得税の納税義務者とは、本法第3条に規定する課税所得を有し、ベトナム国内外において当該課税所得が生じる居住者個人、ならびに、本法第3条に規定する課税所得を有し、ベトナム国内において当該課税所得が生じる非居住者個人をいう。
1. 居住者(個人)とは、次のいずれかの条件を満たす者をいう
a) 暦年においてベトナムに183日以上滞在する者、または、ベトナムへの初回入国日から起算して連続する12か月間において183日以上滞在する者
b) 登録された居住地、又は一定期間の賃貸借契約に基づくベトナム国内の居住用賃貸住宅を有する者
2. 非居住者(個人)とは、本条第2項に規定する条件を満たさない者をいう
1.2. 個人所得税の累進課税率について、現行の7段階から5段階へ変更
2025年個人所得税法第9条において、個人所得税の累進課税率が現行の7段階から5段階へと変更される。当該変更にて、第2段階における税率を15%から10%へ、第3段階における税率を25%から20%へと、それぞれ引き下げる。
| 課税区分 | 課税所得/年
(百万VND) |
課税所得/月
(百万VND) |
税率 (%) |
| 1 | 120以下 | 10以下 | 5 |
| 2 | 120超~360以下 | 10超~30以下 | 10 |
| 3 | 360超~720以下 | 30超~60以下 | 20 |
| 4 | 720超~1,200以下 | 60超~100以下 | 30 |
| 5 | 1,200超 | 100超 | 35 |
1.3. 決議第110号(Resolution No. 110/2025/UBTVQH15 )で定められた扶養控除額の引き上げ
2025年改正個人所得税法第10条にて、国会常務委員会決議第110号(Resolution No. 110/2025/UBTVQH15)に規定された家族控除(扶養控除)の水準を個人所得税法に反映し、納税義務者本人の控除額を月額1,550万VND、扶養親族1人当たりの控除額を月額620万VNDと定めている。
1.4. 課税対象となる個人所得項目の追加
2025年個人所得税法第3条10項においては、個人所得税の課税対象となる「その他の所得」の区分が新たに規定されている。当該規定において、個人所得税の課税対象となるその他の所得として想定されている項目には、以下のものが含まれる。
- ベトナムの国別ドメイン「.vn」の譲渡による所得
- 温室効果ガス排出削減効果およびカーボンクレジットの譲渡による所得
- 法令に基づく競売により取得した車両登録番号標(ナンバープレート)の譲渡による所得
- デジタル資産の譲渡による所得
- 金地金の譲渡による所得
1.5. 発生の都度、課税される所得に係る課税基準額を1,000万VNDから2,000万VNDへ引き上げ
2025年個人所得税法第15条、16条、17条、18条および19条において、懸賞当選所得、著作権使用料、フランチャイズ料、相続・贈与による所得、ならびにその他の所得に係る個人所得税について規定している。当該規定により、発生の都度算定される所得についての課税最低額が、従来の1,000万VNDから2,000万VNDへと引き上げられている。具体的には以下の所得が対象となる。
- 懸賞当選による所得
- ロイヤルティによる所得
- 商業フランチャイズによる所得
- 相続および贈与による所得
- その他の所得
1.6. 年間課税売上高基準額を年額2億VNDから年額5億VNDへ引き上げ
2025年個人所得税法第29条および7条では、家計事業者および個人事業者、とりわけ小規模および中規模の家計事業者に対する法令遵守の負担を軽減し、事業活動の円滑化を図ることを目的とした改正規定が設けられている。
- 家計事業者および個人事業者に対する非課税売上高の基準額を、年間2億VNDから年間5億VNDへ引き上げ、当該金額を売上高に対する比例課税を算定する前に控除するものとする。併せて、付加価値税(VAT)に係る非課税売上高の基準額についても、年間5億VNDへ引き上げる。
- 年間売上高が5億VND超30億VND以下の家計事業者および個人事業者に対し、所得に基づく課税方式を新たに追加する。当該方式においては、年間売上高が3億VND以下の企業に適用される法人所得税率と同様に、税率15%を適用する。併せて、当該家計事業者および個人事業者は、売上高に対する比例課税方式、または所得に基づく課税方式のいずれかを選択することができる。
上記により、事業を営む個人および個人事業主に対する非課税売上高の基準が、年間2億ドンから年間5億ドンに引き上げられ、売上高に対する比例課税方式に基づく課税額の算定にあたり、当該非課税基準額を控除することが認められる。併せて、付加価値税(VAT)の非課税売上高基準についても、年間5億ドンに引き上げられる。
1.7. 施行日
- 本法は、本条第2項に定める規定を除き、2026年7月1日から施行する。
- 居住者個人の事業所得、ならびに給与・賃金所得に関する規定は、2026年課税期間から適用される。
- 個人所得税法第04号(Tax Law No. 04/2007/QH12)は、法律第26号(by Law No. 26/2012/QH13)、法律第71号(Law No. 71/2014/QH13)、法律第31号(Law No. 31/2024/QH15)、法律第48号(Law No. 48/2024/QH15)、法律第56号(Law No. 56/2025/QH15)、法律第71号(Law No. 71/2025/QH15)及び法律第93号(Law No. 93/2025/QH15)による改正後の規定を含め、本法の施行と同時に廃止する。ただし、居住者個人の事業所得、及び給与・賃金所得に係る規定については、2026年課税期間から廃止する。



