よくあるご質問

FAQ

設立

新規設立会社に要求される税務上の手続は何ですか?

会社は申告納税時に使用するための税コードを取得する必要がありますが、企業法に基づいて発行される企業登録証に記載される企業コードが税コードとなりますので、別途税コードを取得する必要はありません。会社設立後、下記の資料を管轄の税務局に提出しなければなりません。
– 決算月、記帳通貨及び減価償却方法等の会計情報の届出
– 開設した銀行口座情報の届出
– VATの申告方法の届出(通常、控除法が適用されます)

また、設立後、その年度の事業登録税(ライセンス税)の申告納税を実施する必要があります。

100%外国出資により、会社を設立することはできますか?

はい、可能です。ただし、特定の産業分野においては、外国出資自体が認められておらず、また、投資関連法令やWTOコミットメントにより外国出資に一定の条件が付されることもあります。

外国人は社長(General Director)になることができますか?

はい、可能です。社長の要件としてベトナム人であることは要求されていません。

ジョイントベンチャー又は100%外国出資のどちらの形態で事業を行う方が有利ですか?

100%外国出資
長所
– 自社の戦略方針に基づいた意思決定が可能
– 迅速な意思決定が可能
短所
– 特定の産業に進出できない
– 初期の段階では、人的及び事業上のネットワークがない

ジョイントベンチャー
長所
– 合弁先の人的ネットワークや販売チャネルを活用できる
– 現地での商慣習を早期に習得できる
短所
– 合弁先との意見調整に時間がかかる
– 法令順守や商慣習に関する感覚の違いがある

駐在員事務所の開設又は現地法人の設立とどちらの形態で事業を行う方がいいですか?

駐在員事務所は営利活動をすることが認められておらず、市場調査及びその他の非営利活動のみ認められています。ベトナムへの投資を判断する上での情報が不十分な場合、駐在員事務所の開設は適切な足がかりと考えられます。一般的に、駐在員事務所開設に要する初期費用及び運営費用は、現地法人設立に要する初期費用及び運営費用より低くなると考えられます。一方、ベトナムで製造活動や販売活動を行う場合は、有限責任会社や株式会社等の形態で現地法人を設立する必要があります。ベトナムの法規定を遵守する限りにおいて、現地法人の設立はより自由な事業活動を可能にします。

撤退費用を考慮した場合、駐在員事務所の開設又は現地法人の設立とどちらの形態で進出した方がいいですか?

駐在員事務所を閉鎖する場合、通常、申請書を提出してから3ヶ月から6ヶ月程度かかります。税務局は過去の税金の申告が適切であったかを調査し、その後、駐在員事務所の税コードの抹消を承認します。一方、現地法人への投資から撤退する場合、「売却」又は「閉鎖」の二つの方法があります。「売却」は、現地法人に対する出資を他者へ譲渡する方法であり、買い手と譲渡条件について合意した後、ライセンスの投資家情報を修正します。売り手は、たとえ譲渡益が生じていない場合でも法人所得税の申告をしなければなりません。「閉鎖」は、現地法人を清算する方法で、通常1年以上かかります。駐在員事務所の閉鎖の際と同様に、ベトナムでの納税義務を完了させ、税コード抹消の承認を税務局から入手する必要があります。「売却」の場合、買い手を見つけることができると、「閉鎖」に比べて事務手続は早期に完了することになります。一般的に、現地法人の閉鎖は、駐在員事務所の閉鎖に比べて、時間がかかり、撤退費用も高くなります。なお、本文内で記載した閉鎖までに要する期間は弊社の過去の経験から記載したものであり、実際の状況により、これより短いケースや長くなるケースもあります。

ホーチミン市内に会社を設立し、他の省に支店を開設することはできますか?その場合、各拠点の税務申告はどのようにすればいいですか?

はい、ホーチミン市内に会社を設立し、他の省に支店を開設することは可能です。一般的に、個人所得税及び付加価値税(VAT)については、各拠点の管轄の税務局にそれぞれが申告します。そのため、本社がホーチミン市内にある場合、ホーチミン市の税務局に本社の個人所得税及びVATを申告し、支店の所在地を管轄する税務局に、支店の個人所得税及びVATを申告します。一方、法人所得税については、2通りの方法、(1)他の省にある支店分を合算して、本社のあるホーチミン市の税務局で申告する方法、(2) 本社及び支店がそれぞれ管轄税務局で申告する方法があります。なお、製造を行う支店が本社に従属する支店の場合、製造を行う支店を管轄する税務局へ納税の配分が必要となります。

最低何人のベトナム人スタッフを雇用する必要がありますか?

ベトナム人スタッフの最低雇用人数の規定はありません。現地法人及び駐在員事務所は外国人一人でも運営可能です。

外国人がベトナムで勤務するための労働許可証(Work Permit)を申請する場合、例えば会社規模等、勤務する会社の要件はありますか?

いいえ、会社の規模は労働許可証の申請に影響を与えません。ただし、申請者は、良好な健康状態であること、犯罪履歴を示せること、適切な教育及び職務経歴があること等、法令で要求される全ての要件を満たす必要があります。ただし、勤務する有限責任会社の出資者である場合等、一定の要件を満たす場合、労働許可証の取得は免除されます。

決算月は12月でなければなりませんか?

いいえ、決算月は3月、6月、9月、12月から選択可能です。決算月を12月以外の月にする場合は、税務局にその旨を通知しなければなりません。決算月の通知をしない場合、会社の決算月は12月であるとみなされます。

EPEとは何ですか?

EPEとはExport Processing Enterpriseの略で、輸出加工区域にて活動する企業、もしくは工業団地や経済地区において活動を行い製造した全ての製品を輸出する企業を意味します。これらの企業は原則として、VAT及び輸入関税が免除されます。EPEはVAT非課税地域に所在するとみなされており、VATを申告する必要がありません。

税務一般

毎月、または四半期ごとに提出しなくてはならない申告書の種類を教えてください。

四半期申告
付加価値税:前年度の売上が500億ベトナムドンを下回る場合、または新しく設立され、前年売上実績がない場合は四半期ごとに申告します。
個人所得税(フォーム02):付加価値税が四半期申告となる場合、個人所得税の納税金額にかかわらず、四半期申告になります。付加価値税が月次申告の場合でも、個人所得税の納税義務がはじめて発生した月の個人所得税額が5,000万ベトナムドンを下回る場合、個人所得税は四半期申告になります。
個人所得税(フォーム07):国外給与所得がある場合、四半期毎にその所得を申告します。

月次申告
付加価値税:前年度の売上が500億ベトナムドン以上の場合、月次申告が義務付けられています。四半期申告が認められている会社が任意で月次申告する場合は、税務局に書面にて月次申告する旨を事前に通知する必要があります。
個人所得税(フォーム02):VATを四半期申告している場合を除き、個人所得税の納税義務がはじめて発生した月の個人所得税額が5,000万ベトナムドン以上の場合、月次申告になります。

法人所得税:月次もしくは四半期での申告の必要はありませんが、納税額があれば、四半期毎に予定納税する必要があります。

外国契約者税:原則として、対象取引に係る対価を支払う都度、申告が必要となります。

ベトナムでの一般的な税率を教えてください。

法人所得税
22% (2016年1月より20%)
前年の売上金額が200億ベトナムドンを超えない場合は税率20%

個人所得税(給与所得の場合)
居住者については、5%から35%の累進税率
非居住者については、一律20%

付加価値税
-下記に記載されている財・サービス以外:10%
-水道事業に関わるサービス、医療・教育用器具等:5%
-財・サービスの輸出、EPEに対する財・サービスの提供、国際運輸等:0%
-土地使用権、金融サービス、ソフトウエア、教育及びトレーニング等;非課税

月次、または四半期申告書の提出期限を教えてください。

毎月の提出が求められている申告書の提出期限は、翌月の20日です。例えば、2015年7月分の付加価値税申告書の提出期限は2015年8月20日になります。四半期申告書の提出期限は、四半期の期末月の翌月30日です。例えば、第2四半期の個人所得税申告書の提出期限は7月30日になります。

個人所得税

税務上、ベトナム居住者の定義を教えてください。

以下に記載する要件を1つでも満たした場合(非ベトナム国籍の者)、税法上のベトナム居住者として扱われます。
– 暦年、又はベトナムに最初に入国した日から連続した12ヶ月の間に、183日以上ベトナムに滞在した者
– ベトナムにて永住権または一時居住許可証(Temporary Residence Card)を保持している者
– 課税年度内に、ベトナムで住居(ホテル、ゲストハウスなどを含み、他の者や雇用者が契約した場合も含む)を合計183日以上賃貸した場合。複数の賃貸契約がある場合には、合算して計算します。

日本国籍を有している者です。2015年5月にベトナムに赴任(ベトナムへの最初の入国)しました。日本本社からも給与が支払われているため、日本で社会保険料の源泉徴収があります。ベトナムでの個人所得税申告時に、社会保険料は控除できるのでしょうか。また、2015年暦年でのベトナム滞在日数が183日を超え、ベトナム居住者となるため、2015年の全世界所得での申告が必要と認識していますが、赴任前の2015年1月から4月までの間に日本で支払われた給与も申告対象に含めなくてはならないのでしょうか。

日本の制度による社会保険料は、法令上要求されている書類を準備すれば、課税所得から控除できます。ベトナムの公的保険制度に類似する他国の公的保険制度の保険料は控除可能となっています。ただし、控除できるのは、税務上のベトナム居住者のみです。

日本とは日越租税条約が締結されており、入国前の2015年1月から4月までの間に日本で支払われた給与は2015年の個人所得税申告に含める必要はありません。したがって、2015年5月(赴任時)から12月までの全世界所得に基づいて申告書を作成することになります。

日本の親会社が着任時の引越費用、家賃、子女教育費の支払いをします。ベトナムの税務上、どのように取り扱われるべきなのでしょうか。

一般的に、着任時の引越費用を会社が負担した場合、駐在員の課税所得に含める必要はありません。家賃は、会社の契約で、かつ会社により直接支払われた場合、駐在員の家賃を含めない課税所得の15%を上限に、課税所得に含める必要があります。住宅手当として駐在員に付与、又は駐在員が立替払いをした場合は、会社が駐在員に支払った住宅手当または家賃の払い戻し額全額が駐在員の課税所得として扱われますので、注意が必要です。子女教育費は、非課税ですが、会社が直接教育機関に支払いをした場合に限ります。教育手当として駐在員に付与、又は駐在員が立替払いをした場合は、全額課税所得となります。

日本本社からの出向社員として、ベトナム子会社に社員を3年間駐在させる予定です。本社とベトナム子会社から給与を支給する形になりますが、ベトナム個人所得税の支払いはどのようにしたらいいのでしょうか。

日本本社から子会社へ立替給与を請求するのかどうかで取り扱いが異なります。立替給与が子会社に請求され、その部分も子会社で経費処理される場合、子会社が直接支給した給与だけでなく、日本本社から請求された給与部分も含め、全額フォーム02にて申告する必要があります。日本本社が子会社に立替給与を請求しない場合、子会社が直接支給した部分をフォーム02にて、国外支給給与分は駐在員がフォーム07にて自己申告する必要があります。フォーム02に含まれる個人所得税は会社が源泉徴収しますが、フォーム07に含まれる部分は、駐在員がフォーム07により、四半期毎に申告する必要があります。フォーム07が使用される場合、フォーム02とフォーム07に含まれる給与を合算し、フォーム09により、個人所得税の確定申告を実施する必要があります。

付加価値税

付加価値税の申告書は毎月提出する必要があるのでしょうか。

付加価値税の申告書は、前年の売上に基づき、月次もしくは四半期毎の提出が義務付けられています。前年の売上が500億ベトナムドン以上の場合は月次申告、それ以下の場合には四半期申告が原則となります。3年おきに見直され、3年間は特別な事情が無い限り、同一の申告方法が取られます。新規設立会社の場合には、四半期申告となります。

購入時に支払った付加価値税を、販売時に受け取った付加価値税から控除(または還付)するためには、どのような書類が必要でしょうか。

以下の書類が必要になります。
– VATインボイス、VAT支払証明(輸入時)、外国法人(ベトナムに法人を持たない外国法人)のために支払ったVAT支払証明
– 2,000万ベトナムドン以上(付加価値税を含む)の財・サービスについては、銀行送金証憑(非現金決済証憑)
– 契約書や通関書類(物品の輸入の場合)

VATインボイス(レッドインボイス)には頭文字や略語を使うことが出来るのでしょうか。

基本的には、全ての情報を記載することが求められています。しかし、町・区・工業団地名などが長い場合、頭文字や略語を利用することが認められています。

一度発行したVATインボイス(レッドインボイス)はどのように取り消したらよいのでしょうか。

VATインボイスが買い手の元に渡っていない場合、売り手は記載されたVATインボイスを無効にし、再発行します。無効にしたVATインボイスは売り手が保管する必要があります。
VATインボイスが買い手の元に渡っていて、財・サービスの提供がまだ終わっていない場合、又は売り手と買い手がVAT申告書をまだ提出していない場合は、売り手と買い手が合意した後、VATインボイスを無効にし、再発行することが出来ます。売り手は無効にしたVATインボイスを保管する必要があります。
VATインボイスが買い手の元に渡っていて、財・サービスの提供が終わり、売り手と買い手がVAT申告書を提出済みの場合は、両者が合意した後、修正VATインボイスを発行します。

VATインボイス(レッドインボイス)は、英語及び米国ドルでの記載が認められていますか。

VATインボイスは必ずベトナム語で記載されなくてはなりません。ただし、顧客の要請などにより外国語で発行しなくてはならない場合、ベトナム語で内容を記載した上、右側に外国語を括弧にて表示、またはベトナム語の下に外国語を併記して発行することが出来ます。外国語表示には、ベトナム語に比べて小さなフォントを使用する必要があります。外貨建て取引の場合、外貨を表記し、ベトナム語で外貨建ての金額を記載、換算レートを記載する必要があります。

法人税

固定資産の税務上の取り扱い方を教えてください。

以下の3つの条件を満たした場合、固定資産として計上されます。
– 資産の使用から将来の経済的便益を得ることが確かである
– 見積耐用年数が1年以上である
– 信頼性をもって価格を測定することができ、取得価格が3,000万ベトナムドン以上である

減価償却方法については、以下の3つの方法のいずれかを適用することができます。定額法以外の方法は、適用できる状況が限られていますので、ほとんどの企業は定額法を適用しています。
– 定額法
– 調整定率法
– 生産高比例法

耐用年数は見積もりに基づきますが、財務省は、資産を分類し、固定資産の耐用年数を定めています。財務省の定めた耐用年数で計算した減価償却額を超える減価償却費は、法人所得税上損金不算入費用とみなされます。また、会社設立後、減価償却方法を税務当局に通知する必要があります。

税務上、損金算入できない一般的な費用を教えてください。また、交際費はどのように扱われるのでしょうか。

損金算入できない一般的な費用の一例を以下に示します。
– 労働契約書、労働協約、財務規定等に記載が無い給与、手当、賞与、その他の福利厚生費
– VATインボイス、その他証憑が無い費用
– 事業活動に関連しない費用
– 事業活動に関連しない固定資産の減価償却費
– 財務省により定められた耐用年数で計算した減価償却額を超える部分の減価償却費
– VATインボイスがない従業員の制服購入費用
– 年末に外貨建て現金預金、売掛金残高から発生する未実現為替差損

交際費(ゴルフ年間費など特定の接待費用は除く)は、損金算入のための条件を満たす場合には、損金算入できます。特別に金額の上限は定められていません。

法人所得税上、どのような福利厚生費が損金算入できますか。

社員旅行費、自然災害によって亡くなった従業員家族の忌引きにともなう費用などの福利厚生費は損金算入できます。業者からの購入をともなう場合には、VATインボイスなどの証憑を、従業員に支払う時には支払証憑の他、内部規程も証憑として管理しておく必要があります。福利厚生費は、従業員一人当たりの月平均給与額を限度として損金算入が認められます。

費用を損金算入するための要件を教えてください。

費用を損金算入するためには、以下の3条件を満たさなくてはなりません。
– 事業活動に関連した、実際に発生した費用であること。
– VATインボイス、その他証憑があること。
– 2,000万ベトナムドン以上の費用は、支払証憑があること。2,000万ベトナムドン以上の支払は、支払証憑を残せるよう、現金以外(銀行振込など)で行われる必要があります。
VATインボイス、支払証憑、契約書などその他証憑を入手し、保管する必要があります。日本や他国と比べ、証憑に対する規定が細かくなっていますので、ご注意ください。

人件費を損金算入するために準備しなくてはならない書類を教えてください。

内容、金額が書かれた書類(労働契約書、労働協約、手当規程、財務規程等)を作成保管する必要があります。支払額が変動する費用の場合(例えば、成果賞与等)、計算方法等が記載された規程とともに、どのように支払額が算出されたのか詳細な計算根拠を準備する必要があります。

外国契約者税

ベトナムの法人と取引のある外国法人は、源泉徴収の対象になるのでしょうか(続く質問も参照のこと)。

はい。外国法人がベトナムの法人とサービス契約を締結し、サービス提供がベトナム国内で行われる場合、ベトナムの法人は外国法人に対して支払をする際に外国契約者税(法人所得税と付加価値税から構成される)を源泉徴収する必要があります。税率は、提供されるサービス内容により異なります。外国法人は、ベトナム国内に恒久的施設があるか否かにかかわらず、外国契約者税の対象になります。

ベトナムの法人と取引をするにあたって、税務上、気をつけたほうがいいインコタームズはありますか。

ベトナムに物品を輸出する場合、サービス条項だけでなく、インコタームズにも注意を払う必要があります。サービス条項(例えば、据付サービス等)が一切なく、外国の国境またはベトナムの国境までのコストとリスクを負担する場合は(例えば、サービス条項の一切ないCIFまたはFOBでの物品輸出)、外国契約者税の対象外になります。
しかし、国外の売り手が、物品がベトナム域内に到着してからベトナム国内で発生するコストとリスクを負担するような貿易条件の場合、外国契約者税の課税対象となります。例えば、貿易条件がDDUまたはDDPの場合、国外の売り手がベトナム国内での運輸に係るコストとリスクを負うため、ベトナム国内で輸送サービスが提供されているとみなされ、外国契約者税の対象になります。

会計

ベトナム国外で利用されている会計ソフトをベトナム子会社で利用することは可能でしょうか。

可能です。ただし、会計ソフト内または、会計ソフトから作成される決算書類の勘定科目、会計帳簿体系、決算書様式がベトナム会計基準及びベトナム会計システムに準拠している必要があります。ベトナム会計システムは、各資産・負債・資本・収益・費用の勘定科目コード、勘定科目名を詳細に定めているだけでなく、各取引をどのように記帳しなくてはならないかも定めています。また、会計帳簿はベトナム語で作成することが要求されているため、海外の会計ソフトをそのまま使用することはほぼ不可能です。
したがって、ほとんどの会社は、ベトナムで市販されているベトナム会計基準及びベトナム会計システムに準拠し、英語表記もできる会計ソフトを利用しています。

ベトナムでの売上認識基準を教えてください。

物品の売買取引では、以下の5つの条件全てを満たした時点で、売上が認識されます。
– 売り手から買い手に物品の権利、リスクが移転している
– 売り手が、所有権が移転された通常の物品売買以上に継続的関与をせず、物品に対して実質的な支配権を有しない
– 収益の金額を信頼性をもって測定することができる
– 取引に関連した経済的便益が企業に流入する可能性が高い
– 発生した、または発生する関連費用を信頼性をもって測定することができる

サービス取引では、以下の4つの条件全てを満たした時点で、売上が認識されます。
– 収益の金額を信頼性をもって測定することができる
– 取引に関連した経済的便益が企業に流入する可能性が高い
– 貸借対照表日付で取引の進行率を信頼性をもって測定することができる
– 関連する発生した、または発生する費用を信頼性をもって測定することができる

VATインボイスを発行するタイミングを教えてください。

インボイスに関する法令に明記されている具体例を以下に記載します。
– 物品販売:所有権または物品の利用権が売り手から買い手に移転した時点
– サービス提供:サービス提供が完了した時点
– 物品・サービス輸出:VATインボイスは輸出取引には求められておらず、通常の貿易取引で使用される商業送り状が使用されます。商業送り状を発行するタイミングは、売り手と買い手の契約により決められますが、税法上は会計基準と異なり、関税手続が終わり輸出許可が出た時点で売上を計上しなくてはならないとされています。

ベトナムでは発生主義会計が適用されていますか。

はい。発生主義会計が適用されています。

不良品(破損、劣化、規格に合わない等)の会計処理方法を教えてください。

不良品が発生した期間に、売上原価に計上します。

米国ドルで作成された決算書をベトナムドン表示に換算するには、どのようにしたらいいでしょうか。

外貨表示の決算書をベトナムドン表示に換算する場合、各項目に以下のような為替レートが用いられます。

資産・負債:取引先銀行の期末日外貨為替電信相場(TT)レート
資本金:資本金拠出日の為替レート
外貨為替差額・資産再評価差額:記帳時の為替レート
利益剰余金・利益剰余金から拠出した積立金:発生時の為替レート
損益決算書及びキャッシュフロー:実際の取引日の為替レート。ただし、期間平均の為替レートが取引日の為替レートと3%以上乖離していない場合、期間平均の為替レートを用いることができます。

外貨建て取引は、どのように記帳したらいいでしょうか。

ベトナムドンを記帳通貨とする場合、法令で規定されている為替レートを使って外貨取引をベトナムドンに換算して記帳します。会社はベトナムドンで記帳するだけでなく、外貨建て金額でも取引記録を残しておくことが必要です。

決算書を作成するに当たって、短期、長期の分類はどのようにしたら良いでしょうか。

一般的に以下のルールが適用されます。
– 資産や負債で、12ヶ月(又は1営業循環)以内に回収または支払が発生するものは、貸借対照表上、流動資産又は流動負債に分類されます。
– 資産や負債で、12ヶ月(又は1営業循環)を超えて回収または支払が発生するものは、貸借対照表上、固定資産又は固定負債に分類されます。

ただし、長期及び短期前払費用の分類は、当該前払費用の残存償却期間ではなく、当初の償却期間に基づいて分類されます。

売上を計上するにあたって揃えるべき書類を教えてください。

一般的に、以下の書類が必要とされます。
– 注文書、見積書
– 契約書
– 通関書類(輸出売上の場合)
– 納品書や完了証明書(署名、捺印入り)
– 法令に準拠して作成されたVATインボイス(国内売上の場合)

米国ドルや外貨建てで取引を記帳できますか。

売上や仕入の大半を外貨建てで取引する企業は、その通貨を記帳通貨として記帳することが出来ます。記帳通貨の規定は会計基準及び法令に記載されています。ベトナムドン以外の通貨を記帳通貨と定める場合には、税務当局に通知する必要があります。また、外貨を記帳通貨として作成された財務諸表は、決算期末にベトナムドンに換算替えしなければならず、当局に提出する財務諸表はベトナムドン建てで表記でなければなりません。

経理主任制度の仕組みを教えてください。

原則として、全ての会社は経理主任(チーフアカウンタント)を置かなくてはなりません。経理主任を雇用する代わりに、適切なライセンスを有する会計事務所に経理主任としての業務を委託することも認められています。駐在員事務所は、経理主任を置く必要はありません。また、設立初年度は経理主任を置かないことも認められています。

外資企業は監査を受けなくてはならないですか。

全ての外資企業は、資本の所有比率にかかわらず、監査を受ける義務があります。会計年度終了後90日以内に監査済み財務諸表を税務局その他監督当局に提出する必要があります。また、決算日の1ヶ月前までに監査契約を締結する必要があります。

人事・労務

試用期間中のスタッフの公的保険料(社会保険料、健康保険料、失業保険料)を納付する必要がありますか。

労働契約書の記載方法により異なります。試用契約が労働契約とは別に作成されている場合は、試用期間中の公的保険料の納付義務はありません。労働契約を締結した時点から(もしくは任意で試用契約期間まで遡って)、公的保険料を納付します。ただし、試用期間が労働契約書の中で記載されている場合は、試用期間も含めて公的保険料を納付する必要があります。

社会保険料を算出するためのベースとなる給与は、どのように計算したらよいでしょうか。

社会保険料の計算に使われる給与は、社会保険局に登録されている基本給ですが、一般最低賃金の20倍と規定されていますので、2,420万ベトナムドン(2016年5月1日より)が上限給与となります。2,420万ベトナムドンを上回る部分については、社会保険料の計算対象にはなりません。
なお、2016年1月1日から2017年12月31日までの期間は、上記の基本給に加え、労働契約書に記載されている賃金性手当も社会保険料の計算対象となります。
2018年1月1日以降は、上記の基本給・賃金性手当に加え、労働契約書に記載されているその他の支給額も社会保険料の計算対象となります。

日本人駐在員は、ベトナムの健康保険料の納付をしなくてはならないのでしょうか。

現地で労働契約書を締結している外国人労働者は、健康保険制度への加入が義務付けられています。

財務

資本金の出資財産として認められているものは何ですか?

ベトナムドン、ベトナムドンに換算可能な外国通貨、金、土地使用権、知的財産権、技術、ノウハウ、その他ベトナムドンで評価可能な資産が出資財産として認められています。

外国投資家からどのように資本金を受け入れたらいいですか?

認可を受けた金融機関で直接投資資本金口座を開設し、当該口座に資本金を入金してもらう必要があります。ベトナムにおいて投資及び事業活動を行うためには、外貨建て又はベトナムドン建ての直接投資資本金口座を開設する必要があります。

最低資本金の要件はありますか?

金融機関、不動産、その他法令で規制されている業種を除いて、最低資本金の規定はありません。

国外の金融機関や会社から借入を受けることはできますか?

はい、可能です。ただし、長期及び中期借入金は直接投資資本金口座に入金する必要があります。短期借入金については、通達 05/2016/TT-NHNNにより、直接投資資本金口座または外国借入口座を通して入金することが認められています。直接投資資本金口座については「外国投資家からどのように資本金を受け入れたらいいですか?」に対する質問の回答を参照。また、1年超の長期借入を行なう場合、ベトナム中央銀行に借入に関する情報を登録する必要があります。

資本金はいつまでに送金すればいいですか?

企業登録証の発行日から90日以内に資本金を拠出する必要があります。

会社設立前に発生した設立関連費用はどのように処理したらいいですか?

会社設立前に発生する設立関連費用は、投資家が立替払いする場合が多いと考えられますが、実務上、当該立替金を会社設立後に、投資家に海外送金することは容易ではないと考えられます(取引銀行にもご確認下さい)。当該立替金の決済方法として、投資家に対する他の債権と相殺することが可能ですが、その場合、(1)立替合意書の作成、(2)相殺により決済される旨の契約書への記載が必要になります。また、他の税法規定に従う限りにおいて、当該費用を法人所得税計算上の損金に算入でき、支払ったVATを控除することができます。